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いまあらためて「再生可能エネルギーを活かして」

読み終えるまで8分  /  アクティビズム

「つながり・ぬくもりプロジェクト」による岩手県住田町の木造仮設住宅への太陽熱温水器設置。写真:つながり・ぬくもりプロジェクト

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再生可能エネルギーを選択することには、持続可能な未来を実現するための投資が含まれているとともに、人類と地球上に生息するその他すべての動植物が支払う代償を発生させないことにも寄与しています。

私たち人類が化石燃料やウラン燃料といった再生が不可能で、しかも汚染源となるエネルギーに大きく依存している事実は、私たち自身を深刻な危機に陥れることになります。さらに気候変動や地球温暖化、ますます劣化していく環境に加えて、こうしたエネルギーによる有害物質の拡散は、人類をはじめすべての動植物が依存している生物多様性や森林、淡水などにも影響をおよぼす、緊急に取り組む必要のある重要な問題です。

パタゴニア日本支社ではエナジーグリーン株式会社とグリーン電力証書の契約を結ぶという方法で、2008年4月からオフィスや店舗で使用するエネルギーを再生可能なエネルギーに切り替えました。そして2008月5月からの1年間、日本支社全体で使用する電力のすべてに鹿児島県のバイオマス発電所と大分県の地熱発電所で発電されたグリーン電力を導入。2012年2月現在はこれらに加えて、兵庫県のパルプ工場が運営するバイオマス発電所、鹿児島県の地熱発電所からも調達しています。

再生可能なエネルギー源はすでに存在しています。そしていまやそうしたエネルギーの使用を拡大するための取り組みに対する障害は、技術的な問題というよりはむしろ政治的な問題であることは、すでに多くの専門家も指摘しています。再生可能エネルギーを広げるための私たちのあらたな一歩はその流れを変え、未来に向けて進む道を探し出す選択なのです。

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「日本に自然エネルギーへのシフトを」
by 環境エネルギー政策研究所

皆さんはこれまでに電気を選んだことがありますか?自分の意志でエネルギーを選択したことがあるでしょうか?エネルギーを選択するということは、どのような社会像を求めるかということと密接に関係しています。現在と未来を見つめ、個人と社会全体がエネルギーについてしっかりと考えることが、持続可能で豊かな社会づくりにつながるのです。デンマークの省エネルギーの大家であるヨアン・ノルゴー博士は「未来は予測するものではない、選び取るものである」と述べました(『北欧のエネルギーデモクラシー』飯田哲也著より)。いまの日本にはまさにこの言葉が当てはまるのではないでしょうか。

いま日本には、新たなエネルギー戦略が求められています。日本政府は2012年の春に新たなエネルギー戦略の選択肢を提示し、国民的議論を実施して、夏ごろに決定することを予定しています。これまでのエネルギー政策は「エネルギー一家の家族会議」で決められてきたともいわれ、限られた少数の関係者により密室で議論されてきました。その結果、とくに電力分野では化石燃料と原子力が優先され、大規模集中型で中央集権的なエネルギー供給体制が築かれました。一方で自然エネルギーと省エネルギーにはほとんど光が当てられませんでした。こうした状況が変わりつつあります。環境エネルギー政策研究所(ISEP)はデータや報告書を整備して政策提言を行い、地域の実践を支援することで省エネルギーを進めつつ、自然エネルギーを中心とした社会にシフトすることを目指しています。

自然エネルギーの本流化
世界ではすでに自然エネルギーが本流化しつつあります。2010年に世界で建てられた発電所の半分は自然エネルギーであり、既存の発電所全体でも4分の1を占めています。いまだその多くはダム式の水力発電ですが、風力発電や太陽光発電、地熱、バイオマス、小水力といった、環境にも社会にも影響の少ない自然エネルギーを増やす必要があります。さらに電気だけでなく太陽熱や地中熱といった熱利用、バイオ燃料も重要です。風力発電はここ10年で10倍以上に急成長しており、2010年だけで4,000万キロワット近くも導入されています。太陽光も2010年だけで約1,700万キロワットが導入されています。原子力発電1基が約100万キロワットですから、どのくらい自然エネルギーが増加しているかがわかります。

自然エネルギーの導入では各国が激しく競争しています。2010年時点での累積導入量は風力が1位中国、2位米国、3位ドイツ、4位スペイン、5位インドでした。太陽光は1位ドイツ、2位スペイン、3位日本、4位イタリア、5位米国です(『自然エネルギー世界白書2011 日本語版』ISEP発行より)。こうした順位は毎年めまぐるしく変わっており、国ごとの政策とビジネスの両方の視点が大切です。政策面ではそもそも国のエネルギー戦略において自然エネルギーをどのように位置づけているかが極めて重要です。ドイツは2050年の目標値として電気に占める自然エネルギーの割合を80%、エネルギー全体に占める割合を60%と定めており、国の方向性を明確に示しています。そのうえで自然エネルギーの電気を決まった値段で買取る固定価格買取制度や自然エネルギーの電気を優先的に活用する優先接続が普及の速度に大きく影響します。ビジネス面では自然エネルギーを成長産業と捉え、産業戦略として推進するかが肝心です。ドイツではすでに自然エネルギー関連分野で40万人近くの雇用が生まれています。

また大規模な自然エネルギープロジェクトも動き出しています。北アフリカや中東の砂漠地帯で太陽のエネルギーを使った発電を大規模に行い、欧州全域にまで効率の高い送電網で運んでエネルギーのやり取りを行うデザーテック構想が進められています。

いまあらためて「再生可能エネルギーを活かして」

「つながり・ぬくもりプロジェクト」による岩手県住田町の木造仮設住宅への太陽熱温水器設置。写真:つながり・ぬくもりプロジェクト

日本の自然エネルギー普及状況
これまで日本は自然エネルギーの普及を十分に進めてきませんでした。その結果として、かつては世界一だった太陽光発電導入量も2004年以降ドイツに差をつけられ、スペインにも抜かれています。現在の日本の電気に占める自然エネルギーの割合は約9%であり、そのうち約8%はダム式の水力発電です。さらに熱分野は政策的に全く手つかずで、太陽熱や地中熱、バイオマスの熱利用はほとんど進んでいません。

自然エネルギーの活用は、震災以降、各地で注目が集まっています。以前クリーネストラインでも紹介された、20以上のNPOや事業者が集い、ISEPが事務局を務める「つながり・ぬくもりプロジェクト」はそのひとつです。運営費用は多くの方からの寄付でまかなっており、岩手県住田町では町営の仮設住宅に太陽熱温水器を取り付けることができました。

今後の日本の方向性を考えるためには、いま多くの人をまきこんでしっかりとした議論を行うことが必要です。研究者、政策決定者、官僚、NPO、ミュージシャンまで幅広い参加者による「みんなのエネルギー・環境会議」が開催されています。原子力や自然エネルギーへの賛成/反対の二項対立で互いを非難するのではなく、すべての方向性から開かれた討議を目指しています。そうした議論を積み上げ、政策決定の場に反映させています。

またエネルギーを選ぶ仕組みを作ることも大切です。日本では家庭への電力自由化が進まなかったため、個人の意志で電気を選ぶことは出来ませんでした。そこで自然エネルギーがもつ環境価値をやり取りするためのグリーン電力証書制度が展開されてきました。従来はビジネス向けの制度でしたが、個人向けのグリーン電力証書「えねぱそ」の発行がはじまりました。こうしたエネルギーの選択肢が増えることは、多くの方の声を日本のエネルギー政策に反映させることにつながります。

これからの日本を選びとるために
これからの日本は、国内外に持続可能なエネルギー社会のモデルを示す可能性と責任があります。そのなかでISEPはエネルギーシフトを提案し、地域での導入に向けて多くの主体とともに議論の場、政策選択の場、実践の場における取り組みを進めています。いまエネルギーについて考え、そして持続可能なエネルギー社会のために自分自身でエネルギーを選ぶことは、今後の日本の進む方向をシフトさせることにつながるのです。

いまあらためて「再生可能エネルギーを活かして」

第1回みんなのエネルギー・環境会議。写真:みんなのエネルギー・環境会議事務局

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パタゴニアの直営店およびオンラインショップにてエナジーグリーン株式会社が発行する個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」の販売を3月より順次開始します。グリーン電力証書を購入することで、電力会社からの電気の契約はそのままに、自身の選んだ太陽光、風力、小水力、バイオマスなどの自然エネルギーによる電気を使用しているとみなされます。

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