どうすれば原油流出事故を防ぐことができるのか

カリフォルニア州サンタバーバラ郡で起きた最近の流出事故のあと、訓練を受けた作業員がビーチで原油にまみれた残骸を除去する。Photo: Linda Krop/Environmental Defense Center
1969年に私たちの手つかずのサンタバーバラのビーチに原油が到達したとき、ショックを受けたことを覚えています。私たちはもうろうとビーチを歩き、防護服や手袋も付けずにタールをこすり落としました。破壊はあまりにも途方もなく、私たちは胸が引き裂ける思いでした。
それから45年、カリフォルニア州民は石油とガス採掘によるこれ以上の劣化から海外線を保護することを進展させてきました。1969年の流出事故は近代の環境保護運動に火をつけ、1970年代初期にはおもな環境保護法通過に拍車をかけ、そしてこの海岸で生態系への脅威と戦う地元のアクティビストによる多くの成果へとつながったのです。
しかし原油は私たちのビーチにふたたび忍び寄り、ショックを受けたと言える者は今回誰もいません。メキシコ湾で起きた残酷なBPの原油流出事故のあとですら、私たちは手ぬるい監視と手抜きに慣れてしまったかのようです。
サーファー、住民、観光客、ビジネスといったコミュニティは怒りを覚えており、それは正しいことです。変革が十分でなかったことは明らかです。
これだけのことがあったにもかかわらず、現在、カリフォルニア海岸線保護法令の抜け穴をついて、さらに多くの海洋掘削が提案されています。けれどもありがたいことに、この抜け穴を埋め、海洋掘削から傷つきやすい海岸線をさらに守る法案が紹介されています。政治家がこの重要な修正をカリフォルニア海岸線保護法令に加えなければ、すぐにサンタバーバラ付近でより多くの石油とガスの海洋掘削を目にすることになるかもしれません。
未来の原油流出事故を防ぐために力を貸してください。選出議員にカリフォルニア上院法案788の可決を働きかけ、海洋掘削を拒否しましょう。
• 行動を起こそう:マイク・マクグワイヤー上院議員およびブラウン州知事にSB 788法案を直ちに通過させることを求める嘆願書に署名しよう。
• 州議会代表に連絡し、「私たちの水から原油を閉め出そう。カリフォルニアの海洋掘削を禁止しよう!SB 788に投票しよう」と要求しましょう。
パタゴニアは化石燃料に依存しており、再生可能なエネルギー資源を利用するためにはもっと努力しなければなりません。しかし私たちは環境災害が社会を正しい方向に迅速に動かすことも信じています。SB 788を可決させることで、海岸保護法と海洋生物保護法が脆弱な海岸の資源を保護し、新しい海洋掘削をストップさせることが確実になります。
また私たちはクリーンエネルギーの未来へ向けても取り組みつづけなければなりません。これには政治家、ビジネス、非営利団体、そして地元コミュニティが化石燃料への依存を削減するために協力することが必要です。
さらに、原油流出事故の対応に日夜働きつづける地元の非営利団体への支持をご検討いただくことも強くお願いする次第です。彼らはクリーンアップのために政府機関と協力し、プレインズ・オール・アメリカン社にこの惨事の責任を追求し、海洋野生生物、重要な生息地、そして海岸レクリエーション地域の修復に着手しはじめています。
何年間もパタゴニアはこういった地元の草の根団体を資金面で、またボランティア・プログラムを通して支援してきました。現在はボランティアの機会に限りがあるため、彼らのウェブサイトをご覧いただき、援助の手を差し伸べていただくようお願いします。
• エンバイロメンタル・ディフェンス・センター(EDC)
そしてこの問題に関しては、〈サーフライダー〉が全国的に、強力な草の根行動家のネットワークを通して私たちの海、波、ビーチを保護するために取り組んでいます。
この悲劇を前に、行動を起こそうではありませんか。海洋掘削の抜け穴を埋め、将来の原油流出事故から海岸を守るために力を貸してください。

1969年のサンタバーバラの原油流出事故の際に汚染を引き起こした油田坑の付近で太平洋表面に浮かび上がる原油(左上)の空中写真。Photo: U.S. Geological Survey

2015年5月19日、サンタバーバラ郡のビーチの近くで原油パイプラインが破裂。歴史が繰りかえされる。Photo: Maggie Hall/EDC

被害を検証するサンタバーバラを拠点とする〈エンバイロメンタル・ディフェンス・センター〉の主席法律顧問リンダ・クロップ。Photo: Maggie Hall/EDC

Photo: Linda Krop/EDC

Photo: Erin Feinblatt

この原油にまみれたペリカンは5月26日の朝、ゴレタ・ビーチの埠頭で休んでいるところを発見された。この地域で原油にまみれた、あるいは傷ついた鳥を見つけたら、訓練を受けたプロが適切に動物を援助できるよう、877-823-6926へ電話をしてください。Photo: Gail Osherenko

救出されたペリカンは〈ワイルドライフ・ケア・ネットワーク〉へ運ばれ、その施設で洗浄される。Photo: Gail Osherenko

オイルフェンスを敷いて表面の原油の囲い込みを試みる沿岸作業員。ロサンゼルス・タイムス紙によると、推定105,000ガロンが流出し、何万ガロンもが海に流れた。Photo: Linda Krop/EDC

水平線に海洋掘削ドリルが光るなか、原油がビーチへと流れていく。Photo: Erin Feinblatt

さらに南のベンチュラでは、パタゴニア本社のすぐ北にあるハイウェイ101号の出口でタールや石油に触れないよう警告するサインが海水浴者を迎える。Photo: Tim Davis