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土地における解放:『Farming While Black(黒人でありながらの農業)』の著者リア・ペニマンとの対談

ジェフ・マッケルロイ  /  読み終えるまで8分  /  アクティビズム, 食品

リア・ペニマンは、環境的・社会的に公正な将来に向けて取り組むことで、アフリカ系ディアスポラ(移住民)の農家およびアクティビストの遺産を尊重している。「『Farming While Black』は、私が十代のころ、農耕という人生を選択することは祖先や黒人コミュニティに対する裏切りになる、と誤って信じていたときに誰かに書いてほしかった本です」と彼女は語る。Photo:Jamel Mosely-Mel

リア・ペニマンは、ニューヨーク州グラフトンにあるソウル・ファイア・ファームの共同創始者だ。彼女は「有色人種による農地管理を増やし、食物獲得の公平性を促して、次世代のアクティビスト農家を育てることにより、食料システムにおける人種差別と不公平に終止符を打つ」ことに献身する。2018年には著書『Farming While Black』(チェルシーグリーン社刊)を出版した。同書は、食料システムにおける正当な地位を取り戻そうとするアフリカ系住民のための初の総合マニュアルだ。ペニマンの膨大な研究と歴史に関する明瞭性は、この書籍を小規模の農場経営者向けのハウツー本以上のものにしている。古代アフリカの農法、奴隷制の残虐行為、そして現在の「食料アパルトヘイト」の状況を探ることで、人種不公平、気候変動と自然からの疎外がどのように結びついているか、そして究極的には癒しは土壌からはじまること気付かせてくれる。

農業、教職、執筆のために時間を割いて、彼女の農場、著書、アクティビズム、環境を再生させる方法でのオーガニック農業、そして将来の展望について、質問に答えていただいた。

土地における解放:『Farming While Black(黒人でありながらの農業)』の著者リア・ペニマンとの対談

フィストバンプするソウル・ファイア農場主催の「黒人・ラテン系住民農業従事者集中訓練」の参加者たち。「土壌の陽イオン交換容量」概念のマニアックな詳説や、黒人と褐色人種が土壌との関係を癒すために必要な文化的・歴史的な教義など、さまざまな内容をバランスよく組み合わせ、1週間にわたって、持続可能な小規模農業を綿密に紹介する企画だ。Photo:Leah Penniman

ジェフ・マッケルロイ:黒人とラテン系住民の農業従事者を力づけるというあなたの目標では、利益第一の大規模な農業手段よりも、小規模の農業や、環境を再生させる方法での農法を推奨しておられますね。私たちの食料システムにおける人種差別や不当性の終結と、環境を再生させる方法での農業との関係を説明していただけますか?

リア・ペニマン:要するに、神聖な母なる大地を取り扱う方法と、人間の兄弟姉妹を取り扱う方法は互いに関連しているということです。いま私たちの食料システムの基本は、根本的には先住民から略奪された土地と搾取的な労働である、という事実は大きな不正義です。米国では食物の耕作に使用するほぼすべての土地(農村部の土地の98%)の所有者は欧州系の人びとであるのが現状です。ファースト・ネイションズ先住民の大量虐殺による土地略奪からはじまり、有色人種の排除と追放へとつづいた歴史は決して偶然ではありません。その一方で、米国の食物の85%はラテン系および中南米系の人たちが栽培していますが、そのグループの人たちが管理している農場は約2%にすぎません。

「作物の植え付け、栽培、収穫を学び、のちにそれをボストンの最も治安の悪い地区にある施設で調理し、給仕をすることを学ぶにつれて、私にとって深淵かつ魔法のような何かが起こりはじめた。農業に携わり、農作物を分かち合うという簡潔な美しさに人生の錨を見出したのだ。私がやっていたことは善行・真直、そして明快なものだった。あらゆる肌の色の仲間と肩を並べ、足を大地にしっかりと据えつけ、黒人コミュニティを活気づける作物の執事を務めること……それは私にぴったりだった」

[食料]アパルトヘイトは人間が作り出した隔離制度で、現在もそのまま残っています。政府が後援する住宅差別と土地区画規制により、何世代にもわたってレッドライニングという歴史があったからです。それは有色人種が赤線で囲まれた地域外と一体化することを妨ぐためのものでした。あなたが米国居住の白人なら、黒人あるいは褐色人種の人たちよりも、近所にスーパーマーケットがある可能性が4倍高くなります。あなたが黒人の子供なら、今晩空腹のまま就寝する可能性は3分の1です。これは児童全体における6分の1の可能性とは対照的です。これは食べ方を知らないとか、いい食物を望まないからではなく、実際に手に入れることができないのです。

私たちの食料システムはじつに不正義であると同時に、工業型農業は惑星を崩壊させています。これが気候変動、取水、土地利用の転換、授粉媒介動物の喪失などの大きな要因であることは知られています。本質的に搾取と利益獲得を動機とする制度が、人間や地球を気遣うはずがありません。これとは対照的に、環境を再生させる方法での農業は、土壌の生命、人間、そして人間以外の生き物の必要性に焦点を合わせて癒しのロードマップを提供するため、この問題に対する古代の、かつ現代的な解決策となります。

土地における解放:『Farming While Black(黒人でありながらの農業)』の著者リア・ペニマンとの対談

傾斜地で平な台地形成に手を貸す、「コンビット」(コミュニティ協働の日)と呼ばれるボランティア。台地形成は土壌の流出を防ぎ、作物の収穫量を増加させる。Photo:Leah Penniman

マッケルロイ:第4章の「劣化した土地の復元」では、ケニアの台地形成、オバンボ人による揚げ床、不耕起栽培の技術、そして被覆作物といった、先祖から伝わるアフリカの土壌再生方法に注目していますね。先祖から伝わる農業技術を復活させることで気候危機の側面をどのように覆すことができるかについて、あなたの見解を教えていただけますか?

ペニマン:1800年代後期、移住者がグレートプレーンズを耕作しはじめたわずか一世代のあいだに、土壌は有機物の半分以上を失いました。有機物は炭素ベースであり、土壌の生命です。炭素は土の中に留まるべきものです。土地を耕したり乱用すると、炭素が大気中に舞い上がり、温室効果ガスになります。気候変動の原動力になってしまうのです。そして、平原の耕作がはじまった1800年代、大気中の人為的CO2のグラフに最初の急上昇が見られました。

祖先の農業技術は炭素を隔離するものでした。それは気候変動の「緩和剤」であり、気候変動に適応できる農場を作る戦略でもあります。たとえば、半永久的な揚げ床を使用すると、洪水を緩和できます。巨大暴風雨「サンディ」の発生中、周辺の農家は水食によって表土を失いましたが、私たちは揚げ床同士のあいだに掘った浅い畦間に水が浸入したため、損失は最小限でした。土で「土手を築く」という決定が、文字どおり農場を救いました。

土地における解放:『Farming While Black(黒人でありながらの農業)』の著者リア・ペニマンとの対談

納屋で玉ねぎを吊るす「黒人・ラテン系住民農場従事者集中訓練」の参加者たち。Photo:Leah Penniman

マッケルロイ:『Farming While Black』に書かれた技術的な情報は、「経験ゼロ〜経験5年までの農家や栽培者向け」に指定されています。そのような人たちが小規模の農場や共同体を立ち上げ、運営することについて知っておくべき最も大切なことは何ですか?

ペニマン:Twitterのアクティビズムが根本的な社会変革戦略だとは思いません。私が信じているのは、積極的な姿勢でコミュニティと地球に役立つ具体的なことに取り組むような社会的アクティビズムです。ですから『Farming While Black』には、事業計画や土地へのアクセス、作物のプランニング、植物療法、青少年プログラムの運営など、さまざまなことが書かれています。深い知識をもつ指導者のもと、地元の農場やしっかりとした都会の菜園で数年間働くことは非常に大切です。成功に必要な技能を得られるだけでなく、自分がやりたいことに焦点を合わせる好機だからです。乳用ヤギを育てることは、理論上は本当に良いことですが、毎日朝晩6時の搾乳スケジュールが大変だということがわかるかもしれません。自分のプロジェクトのためのリソースを選択する前に、そのような経験を積むことは重要です。

マッケルロイ:新興農家がこの新しい道を歩むときに覚えておくべきことは何でしょう?

ペニマン:大西洋を横断する奴隷船に乗せられる前に、母体となる種を集めた西アフリカの祖先の祖母たちのことを忘れないでください。彼女たちはキビ、オクラ、ササゲ、黒米、エグシなどの種を全部集め、それを髪に編み込みました。確率は低くとも、いつか私たちのような子孫がその種を受け継ぐことを信じて、髪に編み込んだのです。困難な障害に直面して、もう希望はないと思うようなときでも、祖先は私たち子孫のことをあきらめなかった、ということを思い出すことはとても大切です。そして今度は、次の世代が私たちから何かを受け継ぐことができるようにその種を集め、私たちが植える番なのです。

土地における解放:『Farming While Black(黒人でありながらの農業)』の著者リア・ペニマンとの対談

クレオール語の格言「Men anpil chay pa lou」(多くの手があれば積み荷は軽くなる)Photo:Soul Fire Farm

リア・ペニマンは22年間土壌の世話をする黒人クレオール農業従事者であり、16年にわたって反人種差別的な食料システムのために組織を編成。ニューヨークのグラフトンにあるソウル・ファイア・ファームの共同経営責任者を務める。

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