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雨のために作られたウェア、クラウド・リッジ・ジャケット&パンツ:日本の山から着想を得て

片桐 星彦  /  2017年3月10日  /  デザイン, カルチャー

雨の多い山での行動に適した「パタゴニアの雨具」――日本のお客様の日本の夏山登山に適したレインウェアのニーズは、ストアのスタッフからの長年にわたるリクエストで分かっていた。そして3年前の2014年3月7日、鎌倉オフィスでのクライミング・アンバサダーとの製品フィードバックのセッションで、日本のいわゆる夏山登山にもっと適した「パタゴニアの雨具」が欲しいと、強いリクエストがあった。彼らの活動の中心は冒険性の高い高所クライミングではあるが、登山ガイドであり、山でさまざまな活動をする花谷、谷口の両名からの言葉だった。パタゴニアのレインウェアは2.5層構造で、軽量性とコンパクト性に優れるが、日本の高温多湿という状況では時としてべたつき感がある。だが、日本のじめじめとした雨のなかの山行でも、快適に歩いている登山者もいる。参加者に「できればXXの雨具を」と言うたびに残念な思いをするのだ、と。

僕はその年にUS本社で行われた2017年製品のための会議で、ことのほか強く、「高温多湿の状況に適したレインウェアの必要性」を訴えた。日本の特殊な気候に合った製品については長年本社に提案しつづけていたし、US本社も雨と湿気が多くてベタベタする状況でのレインウェアに対する必要性を強く感じつつあった。多湿の状況下でトレッキングやクライミングをする地域は、アメリカの太平洋岸北西部やニューイングランド、カナダのブリティッシュ・コロンビアや南米など、日本以外にもある。そこに日本のアンバサダーとカスタマーからのリクエストが加わったことが大きな後押しとなり、本プロジェクトは動き出した。

プロジェクトでは、雨が降ることが想定される日本の夏山登山に適したレインウェアの開発を、多湿の状況を熟知している日本のアンバサダーと日本支社が中心となって行なうことになった。通常の製品開発では、とくにアルパイン製品では、デザインから素材の選択/テスト、フィードバック、フィールドテスト、製品名のフィードバック等まで、基本すべての過程をUS本社がリードする。だが今回は、素材のラボテストや工場とのデベロップメント作業以外はすべて日本が主導となった。その開発参加アンバサダーは、花谷泰広、谷口けい、加藤直之横山勝丘、今井健司。日本の山が大好きな5人だ。全員が山梨県北杜市在住ということもあり、必要とされる機能や実際のデザイン、使用する生地の選択等を含めたフィードバックセッションが地元のカフェや横山邸で何度もおこなわれた。

「湿って、ベタつく」状況をなくすためにいちばん重要なのは素材選びである。2.5層構造と比べて肌触りが良く吸湿発散性の高い3層構造にすることはすぐに決まったが、採用する素材は水分を防ぐための防水性はもちろん、湿気に対応する透湿性に優れていなくてはならないし、山での使用のための耐久性も要求される。日本の夏山登山に適した雨具の実現にはそれらのバランスの取れた生地パッケージが必要になる。さらには、パタゴニアのH2Noパフォーマンス・スタンダードも満たさなければならない。たんに湿ってベタつく状況をなくすためだけに選んだ生地では、この高いH2Noの基準にはパスしない。

H2Noパフォーマンス・スタンダードは、パタゴニアが防水性/透湿性/耐久性の基準として採用している規格であり、厳しいテストに合格した素材のみに与えられる。素材の防水性については、小雨と連続する豪雨でのシミュレーションに加え、素材表面に高圧で水を押し当てるテストも実施。また透湿性の確認には水蒸気透過率(MVTR)を計測し、テスト実施前は最低20,000MM、実施後は10,000MM(JIS L 1092 Bによる)を満たすことが、シェル製品におけるH2Noの基準となる。耐久性については、長年の使用および酷使を短時間で再現する「キラーウォッシュ」で厳しくテストされる。

こうした条件をクリアして採用されたのが、今回このクラウド・リッジ製品に採用したテイジンの生地パッケージだ。高い防水性/透湿性/耐久性を備え、それらのバランスに優れた3層構造。軽量ながら丈夫な30 デニールの表地素材にはリサイクル・ポリエステルを100%使用し、風や悪天候への耐性を高める。裏地には肌触りが快適な20デニールのポリエステル・ワープニットを100%使用し、体からの水分を吸い上げる。それをポリエステル100%のメンブレンを通して外側に、蒸気として発散させる。優れた一貫性、耐久性、しなやかさを提供するため、メンブレンはコーティングせずにラミネートした。そしてこの生地パッケージは、テイジンの循環型リサイクルシステム「エコサークル」でリサイクルも可能だ。環境負荷が出来るだけ少ない製品を作るという開発時の目標も実現し、環境への影響と技術的な機能を両立させる製品となった。

日本の山から着想を得て、パタゴニアが作ったレインウェア、クラウド・リッジ。その胸には、パタゴニア製品の象徴であるフィッツロイの刺繍ロゴが付いている。それが意味するのは、この製品は「パタゴニアの製品保証」により保証されているということ。もちろんメンテナンスについてもしっかりとアドバイスさせていただく。たとえば防水性シェルでは通常起こる剥離(はくり)。早期の剥離を避けるためにも正しいメンテナンスは重要だ。メンテナンスの基本は、こまめに洗うこと。フィールドであっても日常であっても、使用すれば、汗や皮脂、また大気中の汚れなど、目に見えない汚れが付着し、それは機能低下や早期劣化の原因となる。洗濯には専用の洗剤をお勧めするが、普通の衣類用の液体中性洗剤を使用する場合は、撥水性を低下させる香料が残らないよう洗剤の使用量は少なくし、しっかりとすすぐ。ウェアを乾かすのは天日干しでも乾燥機でも構わないが、撥水性を復活させるには、乾いた状態から乾燥機に20分くらいかけるとよい。そして製品が壊れたら、修理を承る。これはパタゴニアのWorn Wearプログラム「新品よりもずっといい」にも根差している。さらに何年か先、クラウド・リッジを着古したなら、ぜひWorn Wearブログに皆さんの着ることについてのストーリーを投稿してほしい。

最後に、クラウド・リッジの開発にかかわった日本アンバサダーのリーダーである花谷泰広の開発コンセプトおよびフィールドテストのコメントを紹介する。

製品全体:「ハイエンド製品と考えは変わりません。どんな状況でも安心して使える耐久性を備えています。必要な機能にこだわってシンプル仕上げている。防水/透湿/撥水性についてもフィールドテストを通して大変満足しています」

ジャケット: 「ヘルメットに対応したフードで、穂高、立山剣等、ヘルメットを使用することが多い日本のフィールドに対応できるようにしました。PUコート防水ジッパーやベンチレーション兼用ポケットなど、雨天や快適さにこだわりました」

パンツ:「とくにパンツはこだわって作りました。サイドジッパーはブーツを履いたままパンツを脱ぎ着でき、ダブルジッパーでベンチレーション効果も得ることができます。なかでも膝の立体裁断は、大きく足上げを行うときにも動きに追従して突っ張られず、行動しやすいようにデザインされています」

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