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良きサーファーである前に、良き人間であれ

キャッシュ・ランバート  /  読み終えるまで8分  /  サーフィン

ビーチまで3発のターン、サーフコンテストの成績、鮮やかなカットバック。でも人生にはもっと大切なことがある。

未来はキッズサーファーにあり。ハワイ、マウイ島 ホオキパ・ビーチ・パーク

全ての写真: Marc Chambers

5月のとある晴れた土曜日、マウイのホオキパ・ビーチ・パークで開催されるイアン・ウォルシュのメネフネ・メイヘムを訪れると、そこはまるでパーティーが開催されているような雰囲気だった。グロム(若者)たちは、空気で膨らんだ遊具で跳びはねていたり、砂の上でクリームパイを持って追いかけ回っている。各組のスコアを告げるPA機材があり、駐車場からは笑い声が聞こえてくる。

毎年恒例のこのイベントに、マウイのサーフコミュニティの大半がやってきているようだ。4~15歳の400人の子ども達が、小さな風の強い波で競い合う2日間のサーフィン競技会である。

このメネフネ・メイヘムをはじめ、同様のイベントには「リブ・ライク・サイオン・グロムフェスト」「レル・サン・メネフネ・サーフィンチャンピオンシップ」「ノースショア・メネフネ・サーフコンテスト」などのグロムコンテストがあり、いずれも新世代のサーファーを先導し、サーフィンのイメージをより良い方向へ変えようとしている。

数年前、ニカラグアのサーフィン旅行から米国に戻った時、窓のない部屋に拘束され、薬物を所持していないか、取り調べを受けた。税関にこれだけ大勢の人がいる中で、なぜ僕を選んで調べるのかと職員にたずねると、1人がボードショーツの後ろポケットを調べながら、こう言った。「あんたがサーファーだからさ」。しかし、サーフワックス以外は何も見つからなかった。

評判は与えられるものではなく、獲得するものであり、サーフィンのアウトローな歴史は事実だ。「知ってのとおり、昔は常にパーティーだったよ」。ノースショアの大御所で、ベテラン・サーフコーチのデーブ・リドル(74歳)は言った。「あの当時は『勝っても負けても酒盛り』が決まり文句でね。でもそんな生き方は今じゃ昔だ。でも楽しんでいないわけじゃない。楽しいさ。しかし、今では、サーフィンはもっと真面目にとらえられるようになったね。そして、サーファーはトラブルに巻き込まれないようにしているのさ」。

サーフィンにおけるこのような変化は、大人がグロムたちの手本となる役割を担っていることが大きな要因となる。

「メネフネ・メイヘムのコンセプトは、僕があのくらいの年頃に、こんなイベントがあったらいいなと望んでいたサーフイベントを作ることだった」とウォルシュは言う。彼に影響を与えたのは、シェーン・ドリアンのケイキ・クラシックだ。ビッグアイランドで25年続くグロムイベントで、ウォルシュ自身も子供の頃に参加した。

ウォルシュのグロムコンペが普通のサーフイベントと違うのは、単に参加者のサーフィンスキルを表彰するのではなく、学業成績もコンペの要になっていることだ。

「それは母の影響なんだ。母がマウイの公立学校で30年教師をしていたので、僕はそれ(教育)がどれほど大切かを成長と共に理解するようになった。そこで学校の成績を、海でも教室でもがんばっている子どもたちに報いる1つの方法にした」。

やがてこれらの賞はiPod、携帯電話、ノートパソコンと変化をたどり、ついにはマウイの公立高校から大学へ進学するための2,500ドルの奨学金になった。その目的は、生徒たちに報酬を与えるだけでなく、次のステップに進むためのツールやリソースを提供することだった。

「これまでに受け取ったどんな奨学金よりも特別です」マウイ出身のルイーザ・バッキンガムは電話越しに僕に言った。彼女は物心付いた頃からメネフネ・メイヘムに出場し、2019年に授与された奨学金で学用品や教科書など、ジョージタウン大学の授業料に含まれないものの支払いをまかなうことができた。

「この賞のおかげで、地元の子どもたちは居心地の良い場所から抜け出して、本土で学び、学んだことをマウイに持ち帰り、地域社会に取り入れることができます。ウォルシュ家の皆さんが私のことをそんなふうに考えてくださって光栄です」とバッキンガムは言う。

その奨学金の効果は、マウイの若いサーフコミュニティに波及している。

良きサーファーである前に、良き人間であれ

ウォルシュが一番に教えてくれる。「この日の子供達のお楽しみは、ついに僕の顔にパイを投げ付けることなのだ」と。マウイ、ホオキパ・ビーチ・パーク。

「僕らはいつも、メネフネ・メイヘムのGPA(学業成績)賞をとりたくて、学校でがんばるんだ」マウイっ子で、生まれてからずっとメネフネ・メイヘムに参加している、ピアヒの突撃手ことタイ・シンプソン・ケインは言う。

ウォルシュのコンテストは、学業優秀者を奨励する数少ないコンテストの1つだ。この他に、ハレイワのアリイビーチで40年以上続くグロムイベント「ノースショア・メネフネ・サーフコンテスト」でも、学業成績がトップで、かつ教師からポジティブなコメントがあった参加者にノートパソコンまたはiPadを授与している。「私達のコンテストが設立された大きな理由は、ここの若者にとって良い影響力になるためです。すべての参加者は、通知表を提出し、考慮してもらうチャンスがあります」同コンテストの共同ディレクターのアイビー・ブロムフィールドは言う。

さらに、サーフィンを次のステップに進め、全米アマチュアサーフィン連盟(NSSA)の大会に出場したいのであれば、少なくともGPA2.0を維持しなければならない。「NSSAでは、落第は許されません」NSSA事務局長ジャニス・アラゴンは言う。NSSAもメネフネ・メイヘムのように、GPAが最優秀の競技者に年間奨学金を授与している。

そして、これらのイベントは、学業やスポーツの成果を促進するだけでなく、環境に対する責任も教えている。

「メネフネ・メイヘムでは、使い捨てプラスチックをどうやって減らすかについても、いろいろ教えてくれるよ」とシンプソン・ケインは説明する。「俺たちは毎日、プラスチックが海で起こしている問題を目の当たりにしているから」

ウォルシュは、子どもの手が汚れることを良しとし、身をもってプラスチックや公害に気づかせる。毎年、メネフネ・メイヘムはグロムたちやイベントコーディネーターによるビーチクリーン活動から始まる。

「参加者を座らせ、口頭で教えるのではなく、僕らは模範を示して教えるようにしている」とウォルシュ。

コンテストで若いサーファーが精神的ストレスに適応できるようにすることも、このイベントの一環である。

良きサーファーである前に、良き人間であれ

並んで波を待つ間も、綱引きの時も、仲良く競い合うことが大切。

かつてのサーフコンテストでは、ビーチでの口論が日常茶飯事で、ボードを壊したり、審査員に暴言を浴びせたりすることは、一部の競技者にとっては通過儀礼のようなものだった。しかし、メネフネ・メイヘムは、「優れたスポーツマンシップ」を表彰しているため、ここにいる若いサーファーたちは、コンテストのジャージで敬意を払う方法を学んでいる。

「勝負にこだわるのは良いことだが、その情熱をコントロールし、競技者に敬意を払うことは重要」とウォルシュは言う。

サーフィンの歴史の中で、毎日ビーチでブラブラすることがこのスポーツの象徴とされた時代に「指導」はなかったのかと、僕はリドルにたずねた。「助言みたいなものはあった」彼の説明によると、その担い手は、次世代を気遣うチームのマネージャーや地元のサーフボードシェイパーだった。「でも今の形に発展するようなものじゃなかったよ」

リドルはこう説明した。サーフィンには薬物やアルコールに彩られた華々しい歴史があるが「いま成長中の子どもたちはそれを見ていない。あの子達が見ているサーファーは、ケリー(スレイター)であり、ジョン・ジョン(フローレンス)だよ」子どもたちが憧れるのは、自分達のスポーツに情熱を捧げるサーファーだ。

メネフネ・メイヘムのようなサーフコンテストは、海の中でも外でも、サーフィンとサーファーを前進させる基礎を子どもたちに与えている。

「海にいることで、あの子達を問題から遠ざけることができ、常に拠りどころとなり、生涯を通して前向きな気持ちを生み出すことができます」とブロムフィールド(ノースショア・メネフネ・サーフコンテストの共同ディレクター)は言う。「海はいつもそこにあって、何らかの形で救いの手を差し伸べてくれる天然資源です」

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