パタゴニアはオーヴィス21からのウール調達を停止
親愛なるパタゴニアの友人である皆様へ
私たちは先週発覚した動物虐待の映像にショックを受け、この数日間パタゴニアのウールのサプライチェーンを深く見直すことに費やしました。オーヴィス21とのパートナーシップは、草原の生態系を再生することへの純粋な献身という理由から、パタゴニアが誇れるものでした。しかしこの取り組みはこの努力に貢献してくれる動物に対しても同レベルの尊敬と人道的取り扱いを伴わなければなりなせん。
〈PETA〉のビデオで映し出されている何よりもショッキングな映像は食肉のための動物の屠殺です。オーヴィス21ネットワークのように、羊からウールを生産するほとんどの商業スケールの牧場はまた食肉も生産しています。最も重要なことは、剪毛工程であっても屠殺工程であっても、パタゴニアの名の下に生産されるウールを提供する牧場の動物が、確実に人道的に扱われるための強靭かつ一貫した方法を適用することです。オーヴィス21とパートナーシップを組むにあたり、私たちは動物を保護するためのいくつかの重要な段階を踏みました。しかし動物福祉を保証する包括的な過程の履行は不合格であり、このような恐ろしい虐待を目の当たりにすることに狼狽しています。
このことを受けて、私たちはオーヴィス・プログラムについての率直かつ厳しい評価をしました。私たちの結論は、オーヴィス21の牧場における望ましくない慣行を確実に即時に変えることは不可能だというものです。そのため私たちはオーヴィスからのウールの調達を停止する決断を下しました。これは苦渋の決断ですが、正しい行動です。
パタゴニアのウールのプログラムを、健全な草原を育みながらも動物福祉に強力かつ一貫したアプローチを保証できるパートナーとともに再構築することは重要な課題です。しかしながら、私たちは〈PETA〉が主張するような、ウール生産にとって動物虐待は不可欠であるという意見は受け入れません。パタゴニアは優れた特性をもつウール製品の製造をつづけます。新しい素材とより良いサプライチェーンにおいて革新と投資を継続して行う一方で、すでに購入したウールから作られた製品の販売、ならびに代替品を好むお客様への優れた化繊の製品も提供しつづけます。しかしパタゴニアは動物の人道的扱いを保証する検証可能な製造過程をお客様に約束できるようになるまではウールを購入しません。
私たちはまた、2014年に発足したウール生産のための新しく強力で検証可能な水準を開発するために業界をリードするという、誇れる努力も継続していきます。私たちはこれを「責任あるウール水準」(近刊予定)に組み込まれる可能なかぎり確固とした動物福祉水準をさらに精進しつづけるための機会として捉えていきます。
私たちの名の下に行われた害について心よりお詫びいたします。そしてこれからも経過をお伝えしていきます。
ローズ・マーカリオ
パタゴニアCEO