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海の姉妹

キミ・ワーナー  /  2019年5月31日  /  読み終えるまで4分  /  サーフィン, コミュニティ

無条件で自分を愛し支えてくれる女性たちとの姉妹関係は、かけがえのないものです。何があろうとも彼女たちはそこにいて、自己の心に従うことを思い出させてくれます。私の人生にそんな動的な力強い女性たちがいてくれるということが、どんなに心強いかを説明するのは難しいですが、彼女たちは私を最高の自分へと押し上げてくれる存在です。」──リズ Photo: Justin Turkowski

最高の時間には友人が必要で、完璧が目的ではない

リズ・クラークレア・ブラッシーとともにツアモツ諸島へセーリングの旅をしてから、4年が経っていました。私たちは出会った瞬間から何か特別なものを見つけるに違いないと確信し、ずっと連絡を取りつづけていました。

私たちは皆、とても個性的で冒険を好む女性たちです。リズはサーファーであり、セーラーであり、作家。レアはサーファー、フリーダイバーですが、とにかく何でもできる強い女性。そして私はフリーダイバー、スピアフィッシャーです。私たちの共通点は、自分にとって大切な目的や理由のために一生懸命に打ち込むということ。最初の旅以来、私たちは旅や執筆やそれぞれのプロジェクトに情熱を注ぐことで忙しく、もちろんそれ自体は素晴らしいことなのですが、ときおり足を止め、速度を落とすべきことを思い出す必要があります。私たち3人でまた集まることを計画したのは、まさにそのためでした。日常からしばし離れ、ただ一緒に海を、セーリングを、フリーダイビングを、波を共有することを楽しみたいと思ったのです。

海の姉妹

競技でないときは、皆が勝者。タヒチでのフリーダビングでそれぞれの獲物を掲げるレア・ブラッシーとキミ・ワーナー。レアのクム(ミナミホウボウ)は夕食として調理され、キミのトヌ(マハタ)は地元の友人に譲られた。 Photo: Justin Turkowski

けれどもそれは、思ったとおりにはいきませんでした。私たちがタヒチで落ち合ったとき、リズはすでに体調を崩し、動ける状態ではありませんでした。レアと私はサーフィンとダイビングを少ししましたが、いつもリズのことが気になって、海から上がっては彼女の様子を見に行きました。そうこうしているうちに私も体調を崩し、私たちの休暇は海で過ごすかわりに、屋内でぐったりと横になり、薬用効果のある草や根をすり潰してお茶を作り、最良の薬である笑いを分かち合いながら過ごすことになりました。

じつは、それが今回の旅のいちばん良いことでした。何をするではなく、ただ一緒の時間を過ごすことが大切だったのです。私たちの関係は本当の姉妹のように感じます。異なる人間ですから、必ずしもすべてのことに同意するわけではありませんが、互いを心から思いやり、とにかく互いが大好きでたまりません。レアはその存在でどんな場面も明るくし、いつも努力と尽きない貢献による価値を見せてくれます。リズは自分に正直に生き、自分にとって大切なものを分かち合うことで思いやりを深め、つねに学びつづけることを教えてくれます。リズはヴィーガン(絶対菜食主義者)で、私は漁をするハンターですが、そういう私たちが互いを尊重しあえるところも素晴らしいと思います。私が動物性のものを含まないヴィーガンの食事をリズのために用意し、それから自分とレアのために採ってきたばかりの魚を調理しようとドアを抜けると、地元の猫が私の魚に手を出していました。その様子を見て彼女は笑っていました。

海の姉妹

「エネルギーを取り戻した最後の朝、私はバンガローから谷を400 メートルほど登ったところにある淡水池へひと走りするという考えで目が覚めました。雨が激しく降っていましたが、私たちはスイムスーツとレインジャケットを身に着けて、この魔法のような場所を味わう最後の ひとときのために池へと出発しました。」──リズ Photo: Justin Turkowski

私たちの社会の大部分は見せかけの完璧を目指して躍起になっているようですが、私が長年で学んだのは、完璧と感じること、そして他者と真につながることができる唯一の方法は、自分自身に正直になることです。それが、私たちが友としてとても心地よく、また一緒に過ごす時間を幸せに感じる理由なのだと思います。私たちは互いの突拍子もない行動を目にし、それを隠すこともなく、お腹が痛くなるまで笑い合えるのです。

旅の最終日まで私たちの体調は優れませんでしたが、その時間を無駄だとは決して思いませんでした。会話を交わした時間。そのほとんどは幼い子供のように笑って過ごしただけでしたが、それはまさに私たちが必要としていた時間でした。私たちの頑固で忙しい魂がやっとあきらめて休息を得るために、体がプラグを抜いたのかもしれません。あの時間は、完璧なまでに不完全で、最良の時間となりました。

このストーリーはパタゴニアのMay Journal 2019に掲載されたものです。

海の姉妹

「リズとキミとの友情は私にとってとても大切です。私たちはいわゆる女友達で、おしゃべりですが、自身についてはあまり説明する必要はありません。2人といると私は自然体で、彼女たちのこともたいていの人よりよく理解しているかもしれません。それは私たちが海に対する情熱と、ありふれた道の外側で暮らすという選択を共有しているからだと思います。」──レア Photo: Laurent Masurel

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