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Soulcraft

ミーガン・ブラウン  /  読み終えるまで5分  /  トレイルランニング

マークとマーガレットとサディ。モンタナの自宅ポーチにて。Photo: Tim Davis

封筒の裏に走り書きした道順に従って泥道を進み、「そこ」へ向かった。
コロンビアフォールズからノースフォーク・ロードへ、グレイシャー国立公園のエントランスを通り越し、見え隠れする曲がりくねった川に沿ってさらに進んだ。ぼた雪がフロントガラスに当たって融けた。裏地がフリース生地のカーハートのジャケットを着た男が、トラックを駐車してチェーンを付けていた。除雪車の残した雪山には新しいクマの足跡が残されていた。
そこに至るまで、私は走り続けた。

「そこ」には夢とカナダ国境付近の木組みの家があった。どれくらい国境に近いかというと彼らが国境警備官の名前を知っているくらい近い。「彼ら」とはマーク・ヒーフィーとマーガレットで、この2人が若木と若さでその夢を築いた。
夢とはこうだ。広大な裏山で季節の変化に合わせてランニング、スキー、登山をする。そして家をぐるりと囲むポーチから変わりゆく季節を眺める。一部屋の小屋からはじまり、まだ屋内配管はないがソーラーパネルを備え、そのおかげでありがたいことに数年前から電気がある。こうして自給自足に執拗に徹し、そのプロセスのすべてを「Soulcraft」と受け止める。「Soulcraft」という言葉はマシュー B. クロフォードの本から借りた。興味深い夢で、決意が詩のように濃縮されている。

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レースのゼッケンと手書きのメモ。Photo: Tim Davis

マークは58歳だが35歳くらいにしか見えない。ここに完全に移り住む前はモンタナ大学で数学を教えていた。今はたいてい使い古した作業ズボンと競技用Tシャツを着ている。私が到着したとき、彼は赤いトラクターで近隣の道路の雪かきをしていた。マークはジョン・プラインのような声で、自分を抑えつつも率直に話をする。マーガレットは63歳。小柄で、長いブロンドの髪がゆっくりと白髪になりはじめており、目の周りにはしわがある。その手には林業と消防隊での長年の仕事のためにタコができているが、彼女のあらゆる所作には、教えられて身に付くものではないアスレチックな優雅さがある。

2人がいつ、どうしてランニングをはじめたのかは定かではない。おそらくそれは常に身近にあったのだ。マークは海軍時代、空母の上でランニングをしていたし、マーガレットはグレイシャー国立公園で森林整備員をしていたとき、レースに初出場した。女性で初めてHardrock 100を完走し、しかもレース中にテルユライドのバーでバーガーを注文し、それを食べ、また走り、そして優勝した。2人の馴れ初めはランニングで、初デートは30マイルのクロスカントリー・スキーだ。マークが初めてHardrock 100に出場したとき、マーガレットのおかげでみんなが彼を知っていたとマークはよく口にする。彼らは互いに相手の話を打ち切るが、それは大事なことが抜けていると細部に口を挟む、せっかちな夫婦のそれとは違う。彼らの話を聞いていると、この2人はまるでチームみたいだ。

彼らが100マイルレースを走り始めたころ、レースは8つしかなく、その開催を知るのは、口コミか、モノクロ印刷の『ウルトラランニング・マガジン』だけだった。やがて月日が経ち、2人はひっそりと伝説になった。スキーを借りにホワイトフィッシュのノルディック・ショップに立ち寄ったとき、カウンターの男性は、私がだれを訪ねようとしているかを知り、より速いスキー板を出してくれた。「マーガレットに付いていきたいなら、これしかないね」と。

「あなたやマーガレットは負けず嫌いなの?」そう尋ねた私の質問にマークはこの言葉で応じた、「決意」。
「俺たちにとって、それが単に山にいるときの自然な姿なんだと思う。それはマーガレットと俺には重要なことだ。俺たちは走ろうとか、スキーをしようとする場合、ただあそこの山へ行く。」
離れの壁には昔のレースのゼッケンが飾ってある。スピードは落ちているが、彼らはまだ走っている。マークは私の訪問後、夏に20回目のHardrock 100を走った。

Soulcraft

離れ。Photo: Tim Davis

私たちは、ランニングやモンタナについて数時間話した。レースの思い出やコース区間のこと。腹痛の悩みや共通の知り合い。朝の光がやがて午後のそれに変わり、家のあちこちに照り返す。過去のハンティングを物語る手製のなめし皮。ドア枠に貼られた写真。薪ストーブがパチパチと音を立て、炎を囲む2人の人影に光が宿る。

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モンタナの冬。Photo: Tim Davis

その後、私たちはマークが自宅の周りに切り開いたトラックへスキーに行った。太陽が照らす氷の中をマーガレットがバランスよく優雅な足取りで先頭を進む。12歳のラブラドール、サディがポーチからそれを見ていた。それがいつもの光景。冬はスキー、夏はランニング。その間はハンティングとハイキングと仕事。歳月とは場所を学び、場所を知るプロセスだ。「それが季節ってものなんだよね」とマークは言う。「よく知っている場所でも、季節が変わり、年月が経てば全く違って見える。けれどどんな関係もそうだ。場所との関係だけでなく、人間関係もしかり、ランニングもしかりさ。」

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