新たな海洋掘削の阻止
トランプ政権はアメリカの海岸線ほぼ全部を石油産業に解放することを望んでいます。これは私たちのビーチと海を深刻な危機にさらすことになります。
50年前、海底石油掘削装置から10万バレルの原油がカリフォルニアのサンタバーバラ海峡に流出し、ゴレタからベンチュラまで波の豊かな海岸線に56キロの油膜ができました。
これがアメリカにおける海洋掘削の終焉であるべきでしたが、サーフィンなどしない巨大石油産業は、アメリカの波、水、海洋野生生物への破損よりも、つねに自身の利益だけを気にかけてきました。そうして私たちの海は被害を受けつづけています。それは1969年のサンタバーバラ、2010年のディープウォーター・ホライズン、そして2015年のレフュジオなど、注目を浴びた流出事故だけに留まりません。米国海洋大気庁によれば、「アメリカでは毎年何千件もの原油流失事故が起き」、サンタバーバラの大惨事により、一般がはじめて海洋掘削について意識するようになって以来、1万バレル以上を流出した事故は44件起きています。
議論の余地のないリスクにもかかわらず、いまトランプ政権はほぼすべてのアメリカの海岸線を石油掘削と探査に解放しようとしています。政権の草案は「98%以上の海洋大陸棚を解放し」、「アメリカの広範囲の海洋石油およびガス資源に、前例のない利用許可を与える」というものでした。それは過激かつ潜在的に破滅的な計画であり、とくにサーフィンをつづけたい私たちだけでなく、アメリカの海岸、海、気候を気遣う人全員が抗わなければならないものです。
「これは海を汚染させ、ブレイクを危険にさらします」と〈サーフライダー・ファウンデーション〉の環境ディレクター、ピート・スタウファーは指摘します。「掘削を拡張することは、海岸線を工業化させることでもあり、沿岸地域と経済、生業を脅かします。サーファーとして、我々は連邦政府の危険な計画に反対発言をする必要があります。海は公共資源であり、我々の指導者たちは一般の意見を考慮することが要求されます」
それはアメリカだけの問題ではありません。世界の気候には国境はなく、海の嵐、スウェル、海流にも国境はありません。エクイノールというノルウェーの企業がグレートオーストラリア湾を原油田にしようとするのを受けて、オーストラリアの友人たちが立ち上がっています。その多くが世界の石油産業に立ち向かうサーファーであり活動家です。この湾は世界に残される最後の大規模な海洋原生地域のひとつであり、同社みずからの流出事故モデルは、水質や海洋野生生物への被害はいうまでもなく、オーストラリア南部の海岸線全長に原油が流れ出る可能性を示しています。トランプの提案と同じように、オーストラリアの海洋掘削を容認するのはあまりにも危険です。同湾をめぐる闘いについての詳細はこちらをご覧ください。
海洋掘削を阻止しよう
アメリカ、オーストラリア、そして私たちが共有する惑星のどこであろうと、私たちの現在の行いが海の未来を決定するのです。ぐずぐずしている時間はありません。パタゴニアは新たな海洋掘削を阻止する〈サーフライダー〉のキャンペーンを支援します。手遅れになる前に、トランプの計画を阻止するよう皆さまのご協力をお願いいたします。