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2010年キッズ・カタログの裏話:掲載エッセイ『ハイキング・レッスン』について

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コンテストが正式に開始:サンタバーバラ中学校の生徒から寄せられたエッセイ。Photo: Tim Davis

2010年キッズ・カタログの裏話:掲載エッセイ『ハイキング・レッスン』について

コンテストが正式に開始:サンタバーバラ中学校の生徒から寄せられたエッセイ。Photo: Tim Davis

去年の1月、分厚いマニラ封筒がパタゴニアの編集部に届けられ、コンテストが正式に始まりました。サンタバーバラ中学校に通う生徒から16作のエッセイが寄せられ、私たちはこのエッセイのなかにパタゴニアの2010年キッズ・カタログのフィールドレポートとして使えるものがあるかどうかを決めなければなりませんでした。コンテストがうまくいかなかったときのための軟弱な予備計画はありましたが、基本的には子供たちの文才に賭けていました。

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登頂を祝う中学校生たち。あとは下りだ。Photo: Jesse Wooten

私たちがサンタバーバラ中学校(SBMS)にエッセイ著作コンテストへの参加を促したのには、いくつかの理由がありました。この中学にはすでにアウトドア・プログラムが存在すること。パタゴニアの友人の友人が校長と知り合いだったこと。さらにSBMSはパタゴニアのベンチュラ本社から海岸沿いに車ですぐの所にあったこと、でした。地元の学生や教師と仕事をするのは良い考えだと思ったのです。

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ほとんどの英語のクラスに必要なのは本、鉛筆、罫線入りノートだが、ジェシー・ウーテンの英語のクラスにはヘルメットも必要。Photo: Jesse Wooten

SBMSの英語部門の長であるジェシー・ウーテンと、「アウトドアでの体験と、それがあなたにどんな影響を与えたかについて述べてください」というエッセイのテーマについて話をしたあと、彼は生徒への直接指導にかかりました。ジェシーはSBMSのアウトドア・プログラムが本当に独特なものであることも教えてくれました。「このプログラムは青少年たちは大人になるために家からはなれ、困難な状況に置かれるとが必要だという古代の考えに基づいています。私たちは子供たちが自信にあふれ、自立した大人として成長するためのこの旅を「通過儀礼」と呼びます。プログラムでは、生徒は自己依存、たくましさ、チームワークとリーダーシップを学ぶために有益な、困難ながら克服可能な仕事を与えられます。」

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カタリナ島への旅の途中、リトル・ハーバーへとハイクするSBMSの学生たち。Photo: Jesse Wooten

修学旅行中のサイクリングやバックパッキングについて書いた生徒もいれば、家族とのセーリングやスキー、ハイキングなどについて書いた生徒もいましたが、全員がエッセイに時間を割いたことは明らかでした。ジェシーは生徒たちの著作に変化を認めました。「彼らは宿題のエッセイよりも一所懸命にやっていた。もしかしたら他の生徒と競争していたからか(通常のカリキュラムでは競争させることはない)、あるいは出版のチャンスがあったからかもしれない。このプロジェクトは、生徒が質の高い作品を生み出す鍵は、教師以外の人に読んでもらえる純粋な作品を書くことであるという僕の信念を証明してくれました。」

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学生が背負ってきたバックパック用テントがカタリナ島の海岸線に連なる。Photo: Jesse Wooten

16本のエッセイには素晴らしいものがたくさんありました。私たち編集者の多くは「自然と僕は調和しない。油と酢のように」の一文ではじまるグリフの作品に笑い、ブリジッドが厳しいバイクライドから得た「私たちは自分の強さを真に理解できない。強くなる以外に方法のない局面に立たされるまでは…」という洞察力に感心しました。ジェイドはイスラエルのマサダ山を登ったときに経験した「ユダヤ人の先祖が保護するために戦った聖地にいる。・・・僕はユダヤ人が感じたにちがいないこの高地点から発せられる無事を感じる」という感情を私たちに理解させてくれました。エリアナはオーストラリアでのハイキングの様子をコミカルな口調でこう語りました。「何で両親にこんなことを言いくるめられてしまったんだろう。39キロのガリガリの私の体はバックパックの下敷きになってる」と。そして次の一文ではじまるヘンリーのエッセイに抗える人がいるでしょうか。「サンタバーバラ海峡を必死で渡る僕の口のなかにある嗚咽の味は、強烈だ」 どのエッセイもそれぞれに長所を備えていましたが、私たちが出版できるのはたった一作でした。

パタゴニアの編集部を取りまとめているヴィンセント・スタンレーは、詩と著作の出版歴があります。私たちは数人でエッセイを読んだあと、彼がこの厳しい決断をしてくれることを期待して、その全部を彼の机に置きました。そしてエッセイを読んだ彼は、「カタログに掲載すべきエッセイをどれにするか決まったよ」と知らせてきました。

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丘から丘へと重いバックパックを担ぐのと20の幾何学証明の問題を解決するのとどっちが簡単だろう。Photo: Jesse Wooten

レキシー・アキリノが書いたカタリナ島への修学旅行についての作品『ハイキング・レッスン』は気取りがなく、人を惹き付ける作品でした。他の優秀な作家たちのように、彼女は記述的な言葉を用い、説明ではなく描写していました。彼女の言葉は私たちを島のハイキングに連れて行き、友達を紹介してくれ、8日間のバックパッキングで彼女が学んだことを伝えてくれました。私たちは生徒たちがこのニュースにどんな反応をしたか、ジェシーに尋ねました。「数人の生徒はがっかりしたよ。でも選ばれた作品を読んだとき、なぜそれが選ばれたのかを理解し、レキシーと一緒に喜んでくれた。彼女は素晴らしいエッセイを書いたからね」と説明してくれました。パタゴニアの2010年キッズ・カタログに掲載されているレキシーのエッセイはpatagonia.com/japanの「フィールドレポート」からお読みいただけます。

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キャンプで友達とポーズをとるレキシー(左)Photo: Jesse Wooten

彼女は自分自身についてこう語ります。「サンタバーバラ中学の学生です。学校では自転車に乗ったり、キャンプしながら冒険したりするのが大好きです。AYSOサッカー・チームでプレイもするし、テニスも定期的にします。活発なので、どんなエクササイズも好きです。そして子犬のチャイのしつけも私の担当です。家がTea Fireの山火事で焼けてしまって以来、人生の立て直しにも取り組んでいます。来年、サンタバーバラの高校に進学する予定です」

このエッセイコンテストを成功させてくれたジェシーと生徒たちに感謝します。そして彼らがアウトドアを楽しみ、書くことをつづけてくれることを期待しています。

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