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2025年度のWork in Progress Reportでは、私たちの唯一の株主である地球への負担を軽減するために行っている、新しくて楽しい、そしてちょっと変わった方法をすべてお伝えします。

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地球が私たちの唯一の株主

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事業の繁栄を大きく抑えてでも地球の繁栄を望むのならば、私たち全員が今手にしているリソースでできることを行う必要があります。これが私たちにできることです。

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不毛の盆地

ジョアン・ドーナン  /  2015年2月16日  /  デザイン, アクティビズム, カルチャー, 環境

薄暗い10月の夜明けのなか、私たちはカリフォルニアのセントラルバレーへ向かうバスに乗車しました。パタゴニアの社内教育プログラムの一貫として従来農法とオーガニック農法によるコットン農場を見学するためです。私がセントラルバレーについて知っていたことは、シェラネバダ山脈と沿岸の山岳地帯に挟まれた、世界で最も肥沃な農業地帯であることくらいでした。多くが牧畜業を営むワイオミング州西部で育った私は、まぐさとアルファルファを育てる灌漑地と機械のちらばった大きく開かれた農場地帯という光景に馴染んでいました。セントラルバレーという地はそれほど違っているのでしょうか。どのような本も、西部の歴史も、講義も、写真も、私がその日見ることへの心構えを作ってくれたものはなかったでしょう。

ベイカーズフィールドの北にある農場へ着いたとき、日は昇っていましたが、靄と完璧に平たい地形により、私は自分がどこにいるかの感覚が鈍っていました。私がこれまで頼りにしてきた地形の基準点となる断崖も台地も川底もなく、フェンスや家や村もなく、あるのは何マイルものダニがついたコットン畑のみ。農夫はどこにいるのでしょうか。トラクターや農場労働者、家族や学校はどこに。農業アクティビストでツアーガイドのウィル・アレンに、これらの農家はいったい誰が経営しているのかと聞くと、シェブロン、シェル、プリンシパル・ライフという答えがかえってきました。ご近所さんを夕食に招待したいときはどうするのでしょうか。シェブロンに電話するのでしょうか。

アメリカは地理を失った国です。かつてカリフォルニアの中核地域を氾濫させたシェラネバダ山脈に発する川は、1,200箇所もダムで塞き止められています。チュレアとブエナビスタの湖は消え去り、それとともにスラフ、沼地、湿原、池などの豊で複雑な湿地帯も消滅しました。この国は農業化されたというよりは、採掘されてきたのです。

その日の終わりにカーン郡の荒野のある片隅で、私はオーガニックコットンの栽培をするロジャーとサンディー・サンダースに会いました。サンダース夫妻は彼らの農場を案内してくれました。何列もの深い緑色の植物は私の背丈ほども高く、白い綿のようなコットンがいっぱい実り、繊細なピンクと白い花は虫にあふれていました。ロジャーは輪作、多様性、応用昆虫学、魚粕とコンポストについて語りました。コットン農夫として3世代目のロジャーは、輝く瞳と大きな笑いで、自分は気違いかもしれないが地球を汚染しない方法でコットン栽培することに献身しているのだと語ってくれました。もしかしたらこれが仏教徒のいう「クレージーな英知」なのかもしれません。

サンディーが孫を迎えにいくためにピックアップトラックを道へ出すと、そのバンパーステッカーにはこう書いてありました。「明日死ぬと思って、今日を生きろ。不死身だと思って、農業を営め」

ジョアン・ドーナンはパタゴニアのコピーライターを18年務めるベテラン。このエッセイはジョアンが雇用された直後、パタゴニアがオーガニックコットンに転換したあとに出版された1996年秋のパタゴニアのカタログより転載。

オーガニックコットンについて

1994年初夏、ベンチュラにあるパタゴニア本社の会議室では、2000万ドルの売り上げにおけるリスクをめぐって、激しい議論が交わされていました。

この運命の日のミーティングはイヴォンの次の言葉で終わりました。「この事実を承知のうえで、今後も私たちが従来のコットンを使ってウェアを作りつづけたなら、どちらにせよ私たちは破滅する。よし、やろう。オーガニックでいこう」 パタゴニアの取締役会は、1996年の春までにコットン製品をすべてオーガニックに切り替えることを採決したのでした。私たちはこれに向けて、製品を順調に売る、衣料品業界の他の企業にもオーガニックコットンへの切り替えを促す、オーガニックコットン農業の成長を促進するという、3つの目標を設定しました。そしてほとんどの製品の販売利益を減らし、小売価格の引き上げを2パーセント以内に抑えることとしました。

もちろん目標と現実は別のものでした。たとえばパンツに必要な生地を探す場合、それまではたんにセールスマンが持ってくる素材のサンプル帳から気に入った生地を選ぶだけで済みました。しかしいまや、ベール梱包された状態の原綿から製品ができあがるまでの全過程を「猟犬」のごとく監視しなければなりません。私たちはオーガニックコットンをベール単位で取り扱うコットン仲介業者を探しました。最終的にオーガニックコットンの供給元として提携した紡績工場のなかで、過去にオーガニックコットンを紡いだ経験があったのはわずか2社でした。1996年に使用したコットン素材のコストは1995年の3倍にのぼり、しかも繊維の種類も少なかったために、私たちはコットン製品を91アイテムから66アイテムに減らさざるを得ませんでした。

私たちは一時的に、認証済みオーガニックに加えて「トランジショナル」コットンを使用することにしました。トランジショナル・コットンとは、オーガニックで栽培されてはいるものの、農場がオーガニック栽培をはじめてから必要十分な年数が経たないため、公式な認証済みオーガニックコットンとしては販売できないものを指します。したがって私たちは「オーガニックウェア」ではなく、「オーガニック栽培のコットンを使用したウェア」として販売することを決めました。小さな違いかもしれませんが、まだ合成染料や従来の農法で栽培したコットンの糸を使っているという事実について、消費者を欺きたくなかったのです。

そして1996年の春、オーガニック栽培のコットンを使用したスポーツウェアがはじめて登場しました。驚いたことに、すべてが順調に運びました。20年を経たいま、私たちがこの決断を後悔したことは一度もありません。究極的にパタゴニアのオーガニックコットン計画が成功した理由は、顧客が私たちと同じ選択、つまり将来、環境に対する被害という隠された代償を払う代わりに、いまオーガニック製品にもう少しお金を払うという選択をしたことです。彼らはデービッド・ブラワーが言うように、「死んだ地球でビジネスはできない」ことを知っているのです。

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