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パタゴニア社員へのインタビュー:ヴィンセント・スタンレー(マーケティングチーム・ライター/エディター)

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Photo: Tim Davis

パタゴニア社員へのインタビュー:ヴィンセント・スタンレー(マーケティングチーム・ライター/エディター)

Photo: Tim Davis

クレイグ・ホロウェイが洞察力あふれるインタビュアーとして登場です。今回の相手は叔父イヴォン・シュイナードのもとで断続的に過去35年間仕事をしてきたヴィンセント・スタンレーです。ヴィンセントは現在パタゴニアのマーケティングチームの筆頭ライターであり、エディターとしても編集チームを率いています。

クレイグ:パタゴニアで断続的に35年間勤続してきたなかで、パタゴニアで唯一不変であると考えるものは何ですか?

ヴィンセント:パタゴニアはビジネスを越えた存在である、ということですね。いまでこそ、営利を目的としながらも他のことを大切に考える私たちのような会社を「社会的企業」と呼ぶ表現まで存在します。社会的企業とは、従来のビジネスと非営利団体のあいだの道を進む企業であると言われていますが、70年代初期にはそんなことが可能であるなど、考えられないことでした。けれどもそんな名称が存在する以前から、パタゴニアは社会的企業だったのです。

クレイグ:ひと言で表すとしたら、あなたにとってシュイナード一家とは何を意味しますか?

ヴィンセント:ホーム、我が家です。私はどこにいてもあまり心休まることがないのですが、家族といるときは心底くつろげます。私はシュイナード家の母方の親戚で、イヴォンは私の少年時代のヒーローであり、ここで働きはじめてからはよき師でもあります。彼と彼の妻のマリンダ、私の妻のノラ、そして私の人生は、家族として分かち合った経験とパタゴニアでの長年にわたる歳月、さらには友人として、さまざまな形で織り合わさっています。私たち一家はリッジウェイ一家のようなパタゴニアの長年の友人たちとも世界観を分かち合っています。皆それぞれ少しずつ違いますが、似た者同士です。

ちなみに、シュイナード一家は、全員が並外れた語り手です。もし叔母のドリスがライターになっていたら、私はペンを置かなければならなかったでしょう。

クレイグ:私たちは企業として環境問題のストーリーを一般社会に紹介していますが、この活動はどのような状況でしょうか?大体においては成功していると思いますか?

ヴィンセント:私はフットプリント・クロニクルに取り組んでいますが、ウェアがどのように生産されて、何が課題かなど、同僚から学ぶことはいまだにたくさんあります。こんなに長いあいだ働いているのにもかかわらずです。私たちは 自分たちをただ褒めているときよりも、課題や欠点などを分かち合っているときの方がより良い話、あるいはより真実に近く、より役立つ話を紹介していると思います。

忘れてはならないのは、私たちは小さくとも工業規模の企業として、1日に排出するはなはだしい汚染を取り除く努力をしているのだということです。私たちは環境維持型ビジネスのモデルではありません。私たちのなかにはこの建物をキャンパスと呼ぶ人がいますが、衣類が作られているのは工場です。工業規模で物事を動かすとき、左手は右手が何をしているのかが見えません。ですからとりあえずは自分たちのやっていることを知ることが必要です。 17年前、私たちが使用しているおもな4つの素材から出る環境への影響の調査を依頼したときのようにね。いまフットプリント・クロニクルで私たちが取り組んでいるのは、デザインから納品にいたるまで、そして使い古された衣類の回収から新しい素材への再生まで、すべての過程を調べることです。何が問題なのかを学んだら、それを社員やカスタマー、サプライヤーなど、関与するすべての人びとに明確に発信していかなくてはなりません。そして解決法の候補を確認しながら、特定の害を取り除くための段階を踏んでいくのです。私たちのストーリーテリングはただのPR目的ではなく、改善を進めていくうえで不可欠なステップなのです。

クレイグ:良い編集者として重要な要素とは何でしょう?

ヴィンセント:良い編集者とはライターの手助けをして文章のつながりを強くし、無駄を切り取ることができる人。また読者の代弁者となって、ライターが見落としやすい文章自体の必要性を支持することが出来る人ではないでしょうか。編集の技能というのは一見矛盾した要素を必要とします。構成と結びまでの流れを整理する長い目と、文章を校正するための詳細に目を向ける能力です。

クレイグ:あなたはフィクション作家でもあり、また詩人でもあります。なぜ物語と詩の両方を創作するのですか?

ヴィンセント: 小説も詩も書く衝動は似ていますが、時間に対する関係が違います。小説は10〜15時間かけて何日かに分けて読むことが多いですが、叙情詩は座っているあいだくらいの数分で読むものです。小説は時間をかけて世界観を変えていきます。詩は幻想という瞬間を創り出します。私は長い読書のなかで登場人物や時間と戯れるのも好きだし、時間という枠を超えて読者が一度に見ることができるようなものを創造するのも好きなのです。

クレイグ:作家として、窓際で書くというのは気が散るものですか?

ヴィンセント:眺めが美しいときは…ね。モンドのビーチに建つ家に数年住んでいましたが、そのときは窓から隣の家が見える部屋で仕事をしました。サンタバーバラでは古くて見事なコルクカシの木の、木漏れ日が入ってくる道に面しています。ニューヨークでは高いところに住んでいますが、ウエスト・ビレッジの景色や嵐が見えない場所に机を置いて仕事をしています。ノラと私はお互いに仕事が終わるまで話しかけないようにしていますが、ときどきどちらかがいつになくきれいな空に気づいたりすると、「光警報!」なんて呼びかけたりします。

クレイグ:現在小説、あるいは詩を書いていますか?何について書いているか、話していただいてもいいですか?

ヴィンセント:いま3冊目の小説に取りかかっています。最初の小説は、40年代から90年代にかけてブラックリストに載っていたハリウッドの脚本家と彼の家族の話でした。2冊目は冷戦時代の外交官で、なおかつ2流の詩人でもある主人公とその仲間の話。そして3冊目はこの2つの物語をつなげるもので、4冊目も同じ。それぞれがだいたい7年くらいの周期で進んでいきます。しばらくのあいだ詩のシリーズにも取り組んでいましたが、いまでも続いているとしたら、もうそれが何のシリーズなのか分からなくなってしまったでしょうね。詩は1年に数作書いています。

クレイグ:作品を書き終えて、登場人物を手放してしまうのは辛いですか?

ヴィンセント:それは、もちろん。でも連続小説を書いているので、いまでもおもな登場人物に再会できる贅沢も許されています。でもなかには年老いてきているお気に入りの登場人物もいるので、彼らは氷河に乗せてさよならを告げなくてはならないでしょうね。

クレイグ:パタゴニアで働く人たちの尊敬するところはどこですか?あるいはどんなところが好きですか?

ヴィンセント:彼らの精神、知性、そして型破りなところです。たとえ自分では型にはまった人間だと思っている人でも、少し掘り下げてみると濃い人生を送ってきています。そしてコミュニティーを切望する姿も見えます。そのコミュニティーとは個人を侵害するようなものではなく、逆に個人のつながりを強めるようなものです。私は仕事以外のことに注ぐ彼らの情熱の真剣さや、開放的なカルチャー、そして悪意のなさを尊敬しています。また自己を修正する素質も気に入っています。ここなら彼らが変化をもたらすことができるし、逆にここのカルチャーによって入ってくる人たちが変わります。私もそうでした。そしてそのカルチャーはいまでも私を変えつづけています。

クレイグ:1年のうち3か月間を奥様であり作家でもあるノラ(ノラ・ギャラガー)とニューヨークのウエスト・ビレッジで過ごしていますが、都会のエネルギーはサンタバーバラの家での創作活動とはまた違った影響をもたらすのですか?

ヴィンセント: 書くこと自体は同じです。でもその場へふたたび入るときは異なります。机からはなれるとき、よく私は霧のなかから出てきたような状態になります。ニューヨークでは電車で仕事に向かうときに車内を仕事場にすることもできます。電車のリズムの何かが頭をすっきりとさせてくれるのです。電車のなかで読んだり、編集したりするのが好きです。ニューヨークで道に出ると、山にいるときに感じるのとはまったく違う感覚があります。また友人や豊かな文化生活に囲まれ、それらが徒歩で到達できるところにあるのも利点ですね。1か月も車のない生活ができるところも気に入っています。

クレイグ: 「ライターズブロック(作家が一時的に作文力を失うこと)」をどう定義しますか?

ヴィンセント: 寒い朝、温かい寝袋から出てくるのが辛いという経験をしたことがありますか?ライターズブロックはそんな感じです。ただ起きればいいだけの話なのです。作家の場合は、ただ机に向かって書きはじめればいいだけのことなのです。

クレイグ: パタゴニアには50年後も環境への影響を減らすよう他の企業を促すような企業でありつづける可能性があると思いますか?

ヴィンセント: パタゴニアのカルチャーが大きな試練に直面するのは、イヴォンとマリンダの時代からの引き継ぎのときでしょうね。もちろんパタゴニア自体は50年後もブランド、そして企業として存在しているでしょう。けれども創設者なしで、パタゴニアのカルチャーだけがパタゴニアの存在意義を維持していくのは簡単なことではないでしょう。自分たちの信じる企業をつねに創造しつづけることが出来るかどうかは、私たちにかかっているのです。他の大部分のアメリカの組織よりもそのチャンスはあると思います。いまここには同じ志をもった素晴らしい次の世代、そしてさらにその次の世代が存在しているからです。

クレイグ: 若いパタゴニア社員へのアドバイスや知恵などはありますか?

ヴィンセント: 自分が好きなことに取り組むこと。あと、しなくてはならない仕事を愛することでしょうか。でもこれはずいぶん以前に、私が若い社員たちから教えられたことですが。

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ヴィンセントに彼の考えをシェアすることを勧めてくれたクレイグ・ホロウェイに感謝します。ヴィンセントと同じように、クレイグにもこの会社における長い歴史があります。シカゴ出身の彼がパタゴニアで働きはじめたのは1996年から。最初の1年半は通信販売部で働き、公共交通機関が存在しない広大な土地、ネバダ州のリノで車なしの生活をしていました。高地の砂漠をランニングで通勤していたのです。雪の降る日はパタゴニアで働くルームメイトの車に乗せてもらって、帰りは暗いなかを走って帰宅。クレイグはまた、ベンチュラでもさまざまな役割を果たしてきました。グレート・パシフィック・アイアン・ワークスで非凡なるカスタマーサービス・スタッフとして働きはじめ、そのあとはその当時エンデュランス・ラインと呼ばれていたマーケティング担当者として、そして現在はパタゴニアの百科事典のようなワークブックやブログのインタビューを含むその他のプロジェクトの編集者として活躍しています。

いまではクレイグもピックアップトラックを所有していますが、あまり運転してはいません。毎日のようにしていたランニングはヨガ(インストラクターでもあります)に変わりましたが、暗くなるまでバックカントリーでハイキングをしているのはいまも変わりません。

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