私たちにとって大切な何かとともに生きるために 、投票しましょう。

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10月31日は、第49回衆議院議員総選挙です。日本ではじめての選挙が行なわれたのは、1890年(明治23年)の第一回衆議院議員総選挙でした。この選挙では、投票できる人は直接国税を15円以上おさめている満25才以上の男性に限られており、それは全人口のたった 1.1%でした。時を経て、2021年(令和3年)の第49回衆議院議員総選挙では、2016年に改正された公職選挙法により、投票は満18歳以上の国民がもつ権利になっています。しかしながら、前回2017年の衆議院議員総選挙の投票率は53.68%、参議院議員通常選挙にいたっては 48.80%と過半数を割りました。多いか少ないかではなく、いまの政治は私たちのこの数字によるものです。

ここ数年、日本国内では記録的な豪雨がつづき、土砂災害や河川の氾濫、家屋への浸水などが広範囲で多発、気候変動の影響によるこうした気象災害は激甚化、頻発化しています。そんななか、先日8月9日に公表された国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書では、人間の活動が大気、海洋および陸域の温暖化を引き起こしていることは「疑う余地がない」とはじめて明記されました。

気象災害は2020年より明らかとなった新型コロナウイルス感染症とともに、私たちの生活様式や経済活動を制約する結果となっています。そして新型コロナウイルス感染症のような動物由来感染症の拡大は、森林伐採や土地開発が深くかかわっていると言われており、ここでも私たちは人間、動物、生態系の健康がつながっていること、私たち人間は、健全な地球とそれを基盤とした社会がなければ生きられないことを再認識します。

将来の安定した気候に危険信号がともり、感染症の出現におびやかされるなか、社会面では、いかなる種類の差別も禁止するとうたう五輪憲章に則り、東京2020大会を見据えてすすめられてきたLGBT法案は見送られ、男女格差の大きさを国別に比較した世界経済フォーラム(WEF)によるジェンダーギャップ指数2021で日本は156各国中120位、教育や貧困の格差をも含めた課題も山積みです。

環境面では、二酸化炭素排出の大きな要因である化石燃料によるエネルギーをどのようにしていくのか、その政策が注目されていましたが、2030年の時点で石炭19%、加えて原子力 20〜22%を利用するとした素案は現状維持路線で、日本はいまだ再生可能エネルギーへと舵が切られていません。再生可能エネルギーへの転換は、気候変動対策としてだけではなく、集中型から地域分散型へと、地域の経済社会の仕組みに変化をもたらすものです。

さらに菅前総理が2020年10月の臨時国会で表明した2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素社会)の目標も、資源を大量に生産消費して、自然や誰かに犠牲をしうるこれまでの延長線上にあるものではなく、それが今後どのような社会で、どのような方法で実現に向けて行われていくのか――私たちは選ぶことができます。つまり森林、海洋、土壌といった陸域と海域の生態系を豊かにし、その機能を最大化する自然に根差した解決策。それは気候変動を緩和し、大雨による被害を軽減し、そして地域風土から生まれる文化芸術を育み、心身を健全にして、地域や私たちの日々の暮らしを豊かにすることにもつながります。

消費者ではなく、市民として私たちそれぞれが、大切にする何かと生きる歓びを享受し、人びとと互いに共有し、私たちが生きる地域と自然が繁栄・再生していく社会を築くために、 私たちには、自然に根差した解決策をもって、社会構造を大胆かつ公正に変化させようとするリーダーが必要です。私たちが何もしなければ、政治はこれまでのままです。

私たちが本当に必要とするこれからの政府をつくり、私たちそれぞれにとって大切な何かとともに生きるために、10月31日、投票しましょう。

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