私たちが必要とする未来のために、ともに動く

パタゴニア  /  読み終えるまで4分  /  アクティビズム

「どのような社会を望むのか」という問いをもつことからはじまります。

第26回参議院議員通常選挙が公示され、投開票日は7月10日となりました。

4年前に行われた第25回参議院議員通常選挙の投票率は48.80%、昨年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙では55.93%となり、日本で選挙権のある約半数の人々が、結果として、投票しないことを選んでいます。

いまこうして日常を過ごしていても、国政選挙が今月はじまるとは気づかないくらい、メディアや報道で選挙のことが取り上げられることも、話題にあがることも、ほとんどありません。一瞬で関心をひきよせるソーシャルメディアでの「つかみ」の時間は、かつてYouTubeでは15秒、近ごろのTikTokでは2、3秒と言われ、もはや1秒も目前という、日々あふれるほどの情報が素早く流れ去っていきます。

選挙権をもつまで、学校で触れられることもなく、また家庭や職場での会話にものぼりにくい世の中では、生活の近くで感じる機会の少ない選挙や政治に関心をもつことの方が困難かもしれません。たとえ社会の変化を求めていても、貧困など課題に直面した当事者で、一番手を差し伸べてほしい人たちが時間をとることや、投票へ参加をすることが困難な場合もあります。また、政治への関心があったとしても、それが政治行動や投票行動と直接的に結びつくものでもないのです。

そのような時代のなか、令和元年の参議院選挙の投開票日、パタゴニア日本支社は全直営店を閉店しました。私たちは、まずパタゴニアの従業員が家族や友人などの身近な人と、日本の政治、選挙、そして私たちの地球の未来について話すきっかけと時間をもつこと、そのうえで、投票に行きたい従業員が行きやすい機会を提供することが大切だと考えたからです。このとき、閉店のご案内によって、皆様に選挙があることを知らせることになり、お客様との会話が生まれました。

政治を語ることは、私たちの将来や夢を語るのと同じです。生活から遠く感じてしまう選挙の風景が変わり会話が生まれるために、私たちは、大切なパートナーであるお取引先企業やアウトドアスポーツコミュニティと考えを共有し、昨年の第49回衆議院議員総選挙からは、国内114社の皆様がそれぞれの社内で対話の場をもうけて、従業員が投票に行きやすくなる機会を提供するなど、ともに行動することをはじめました。そして、今年、より地域で取り組みが広がるように、全国8エリアに分けて、オンラインでの会話の場「選挙カフェ」を開催します。

選挙の機会を使って私たちが話したいと思うのは、日頃なかなか語り合わないこと――どのように未来を展望すべきなのか、どのような社会の実現を目指して行動すべきなのか。私たちの社会を一から構想できないまでも、「どのような社会を望むのか」という問いをもつことからはじまります。

私たち人間は、健全な地球とそれを基盤とした社会がなければ生きられません。近年顕著な気候危機とともに、私たちは人間、動物、生態系の健康がつながっていること、地球の生物多様性の破壊や生態系の損失は、経済にも大きな影響を与えることを知りました。私たちには、自然に根差した解決策をもって、社会構造を大胆かつ公正に変化させようとするリーダーが必要です。政治に関心がなくとも、関係なくはいられません。私たちそれぞれにとって大切な何かとともに生きるために、行動します。

そして投票に行ったなら、自分で選んだ候補者や当選した議員の活動にも目を向けてみてください。女性や若者をはじめとする多様なリーダーが生まれるために、現在、衆議院が満25歳以上、参議院が満30歳以上となっている政治家になれる年齢(被選挙権)の引き下げや選挙に立候補する際に法務局に預けなければならないお金、都知事など首長選挙や衆参選挙区300万円、比例区600万円という高額の供託金ついても考えていく必要があるかもしれません。地域ごとに学校や大学など教育のなかで、市民としての社会へのアクセスの方法を学ぶ機会も同時にすすめないといけないかもしれません。

来年2023年には、4年に一度、地方自治体の首長選や議員選の日程をそろえた統一地方選挙が、3年後の2025年には参議院議員通常選挙が、またこうした国政選挙以外にも毎週日本のどこかの市町村で選挙があります。

私たちの生活は政治と密接に関わっています。私たちの意見を反映させて国や地方の政治をおこなうリーダーを選ぶのが選挙です。投票しましょう。そして、この選挙の機会を投票することだけにとどめず、それぞれの持ち場で、私たちが必要とする未来のために、ともに動きましょう。

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