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水はいつも勝つ

クリスチャン・ジャクソン  /  読み終えるまで4分  /  マウンテンバイク, アクティビズム

ロッキー・ノブがウィジン・パークのようなローカルに愛される理由は、急勾配にのびる、ときとして過酷な石造りのトレイルにある。岩が敷き詰められた非常にテクニカルな「ストーン・スープ」は、その好例となる有数のトレイル。Photo:TJ Kearns

誰にだってトレイルを造ることはできるだろう。道具を使って、土を動かして、それを繰りかえすだけ。じつに単純な作業だが、そこには精緻なルールが存在する。そのルールにしたがえば、新しいトレイルを切り開くのはまるで何かに命を吹き込むような体験となる。森の斜面から新しい土が細長いひものように現れ、1メートルずつくねくねと、動きは目に見えなくても、着実に進んでいる感覚を得ることができる。だがそのルールを無視すれば、深刻な結果を招く。

僕は2001年の冬のほとんどを、マウンテンバイク用のトレイル造りに費やした。尾根を見つけては、自分がそのラインに沿って突っ走り、コーナーを攻めたりジャンプするのを想像していた。毎日地図の等高線とにらめっこしながらジャンプからコーナー、またジャンプからドロップへと、少しずつ土を盛ってはつなげていった。それが完成すると、トレイルを見てもらおうと地元の達人を呼んだ。できあがったばかりのトレイルを一緒に歩くと、彼は無言のままだった。「どう思う?」と僕は尋ねた。

「正直に言ってもいいか?まるっきり使い物にならないぜ」と彼は言った。僕は心の底から傷ついた。

さらに歩きつづけていく道中で、彼は僕を質問攻めにした。「ここの傾斜は?」「傾斜が逆になる部分はどこに造ったんだ?」「どこから排水させるつもりだよ?」僕には答えることができなかった。僕が造ったのは持続不可能な、侵食をまぬかれない悪夢のようなトレイルだった。

「水はごまかせないんだぜ」と彼は言った。「水はいつも勝つ」

僕が数か月を費やして造ったはじめてのトレイル、血と汗とタコだらけの手の結晶は失敗に終わった。基本的なルールを無視したからだ。何よりも重要なのは、存在するルールにしたがわないことの意味を理解しなかったことにある。僕の「トレイル」はただの溝になる運命でしかなかった。

達人は、それでも僕を弟子にしてくれた。僕は昔ながらの方法、つまり1930年代に市民保全部隊が使って以来受け継がれている伝統技術を学んだ。彼らはトレイルの実用性と土地の美しさに対する敬意を融合し、10年単位ではなく、100年単位の目盛りでそれを築いた。彼らが敷いた石段は山頂までの道のりを楽にするためではなく、もろい土が次々とやってくる人の足によって崩れるのを防ぐためだった。水筒で傾斜を計る方法も学んだ。積み上げた岩で何世代にもわたって持続するような擁壁を作る方法や、山腹を見てどうトレイルを敷けば景観になじむかを見定めることも学んだ。僕は地図の等高線に逆らうのではなく、等高線に沿ってトレイルを敷いていくようになった。

水はいつも勝つ

アパラチア南部では、永久に残るものを造りたいなら石を使え、10年余分に長持ちするものを造りたいならニセアカシアを使え、と言われている。ノースカロライナ州ブーン郊外にあるトレイル網のロッキー・ノブ・バイク公園の木道に使うため、地元のニセアカシアの木を肩に担いで運ぶアレシア&サイラス・ジャクソン。Photo:TJ Kearns

2019年、自分が造った最新のトレイルの終点に立った僕は、それまでに学んだことを振りかえった。山の曲線をなぞるように黄金に光るトレイルが、排水を管理しながら繊細なリズムで坂を踊るように上っていく。ダウンヒルの縁に沿って岩壁を立て、トレイルのコーナーに土を盛り上げて、ライダーたちに一瞬の無重力を与えるバンクを設け、排水構造はその地面の下に隠した。昔の人はこんな刺激を求めるなんて理解できないかもしれないが、ルールにしたがったことは評価してくれるだろう。

最初の教訓から10年以上が過ぎ、僕が学んだことは、注意を払えばトレイルが教えてくれるということだ。ルールを忘れないこと、そしてさらに重要なのは、その土地に耳を傾けること。トレイルを造るのは人間だが、そのトレイルが生き残るかどうかは自然が判断する。自分と自然の結びつきを大切にすれば、土に命が宿るだろう。しかしその関係を無視すれば……そう、水はごまかせない。そして最後に勝つのはいつも自然だ。

水はいつも勝つ

アーティストが筆と絵の具を使うように、ライターでありトレイルビルダーのクリスチャン・ジャクソンは土と熊手とペンを使う。Photo:TJ Kearns

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