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国内を循環する古着を着る、そしてライフシフトへ

小泉 壱徳  /  2012年5月24日  /  アクティビズム, 環境

小泉 壱徳 (国内循環古着プロジェクト代表)

日本の古着のほぼ90%が、回収されることもなく焼却されつづけている。国内でのリサイクル回収率はおよそ古紙60%、アルミ缶90%に対し、古着はわずか10%。リサイクルやリユースが多く叫ばれるなか、古着はその入口にも立っていない。良いものを大切に着る時代から、ファストファッションの台頭でライフサイクルが短い時代がきている。大量生産、大量消費、大量破壊の一方通行の流れをそろそろ変えなくてはならない。

実際に自分が捨てた古着がどこでどう処理されていくのかご存じだろうか。資源ごみとして古着を回収する自治体や団体が近年増えており、それらは古着専門の回収業者によって一か所に集められる。資源ごみとして回収していない自治体もまだまだ多く、それらは残念ながらそのまま焼却ごみとして燃やされている。またわずかではあるが、古着屋への持ち込みやオークションでの販売も広がっている。

古着回収業者によって集められた古着は細かく選別され、用途ごとに分けられていく。用途は大きく分けて3種類で、反毛(はんもう)といわれる過程を通して綿や糸などの原材料として使われるものが約30%。古着を一度綿に戻して糸にし、フェルトや軍手の材料として利用するのだ。この作業には漂白剤などの化学薬品が大量に使われるだけでなく、多くのエネルギーもかかってしまう。その他の用途としては、ウエスとよばれる工場などの油を拭いたりする工場用雑巾としての用途が約20%。しかし大きさをそろえたり、原料古着の質をそろえたりと手間がかかる。そして残りの約50%が中古衣料として海外に輸出されている。おもに日本人の体格に合ったアジアや中東に輸出され、夏物の需要が多く冬物は行き場が少ないのが現状で、今後この課題をどうしていくのかにも注目していく必要がある。それぞれ資源として有効活用はされているものの、いまの国内の古着を取り巻く状況では、リサイクル製品にかかるエネルギーや輸送にかかるエネルギーなど、課題は山積みだ。

国内循環古着プロジェクトは「まだ着れる!」をテーマに、国内の古着のみを取り扱って15年になる。きっかけは長くリサイクル業界で仕事をしていた父の紹介で古着回収業者を訪れたとき。目の前に積み上げられた古着の大きな山を目にし、これはゴミの山なのか宝の山なのかと考え込んだのがはじまりだ。当時古着が好きだった僕は古着屋を転々とまわり、お気に入りのものを見つけては部屋に積み上げている日々を送っていた。しかしそれらはアメリカやヨーロッパから輸入された古着で、日本でこんなにも大量の古着が捨てられ、燃やされていることを知らなかった僕には、あまりに衝撃的な古着の山だった。山をよじ登りながら古着を手に取っていくと、ほどよく着古されたTシャツや色落ちの良いジーンズ、綺麗な柄のワンピース、汚れもないセーターなど、僕にとっては宝の山だった。

「国内の古着をもう一回着る」 衣類を取り囲む環境負荷を考えたうえでは、これがいちばんだと直感した。輸送エネルギーの問題などからも海外の古着ではなく、国内の古着であること。そのまま洗っただけで着ることができるというローエネルギー。そしてそこに分かりやすく循環という文字をつけ足して「国内循環古着」と名づけた。それからはじまった週一回の宝探し。まずは古着の山から1枚ずつ見て、掘り出していく。細かく選別されていく古着のなか、日本でも需要がありそうな古着を素早く見つけて判断し、ピックアップしていく。つぎに細かいところを検品したり直したりして店頭に並べる。日本でこのようにリユースされる古着は、回収量のうちのわずか0.05%に過ぎない。好きな服を買うことは決して悪いことではない。けれども、ファストファッションが生んだ低価格化によって、キズも汚れもない多くの服が使い捨てのように破棄されている。買った服に責任をもたず、ただ捨てて終わりではいけない。

コットン栽培には大量の農薬と化学肥料と水が必要で、それは世界で使用される農薬の約7%、殺虫剤においては約16%にのぼる。1枚のTシャツを作るのに2,000~7,000リットルの水が必要であるといわれている。またジーンズを縫い合わせるため、低価格で長時間の仕事を強要される人たちも多くいる。このような状況をマスメディアやアパレル業界も消費者には見せないようにしている。大量に作り、そして消費していくことによって業界を守るためである。しかし地球の環境を第一に考えなければならないいま、このようなやり方は終わりにしなければならない。何らかの理由で自分の服を手放すときは、まず行き先を考えること。友達に譲ったり、フリーマーケットに出店したり、あるいはそのまま利用できるならリユースする。それ以外でもタオルは雑巾になるし、Tシャツは切ってコンロまわりの油拭きにしたり、またはリサイクルするのもひとつ。裁縫が好きな人なら楽しくリメイクするのも手だろう。ひと手間かければ使える用途があり、燃やすという選択肢はなるべく最終的な段階で考えるべきである。明治時代や大正時代には、古着は故繊維と呼ばれ紙の原料として再利用されていた。とても大切な資源だったのだ。一方、いま日本では綿製品の古着を酵素の力を使ってエタノール化する技術も確立している。行き場のない古着を有効活用する素晴らしい技術だ。しかし、こういった技術に頼ってリサイクルしていくだけでは根本は何も変わらない。

「足るを知る」 必要なものを最小限にとどめ、責任をもって着る。エネルギーシフトが提唱されるなか、本当に必要なのはこのようなライフシフトなのではないだろうか。一着の服を買うことで考えなければならないこと…皆が国内の古着を一着取り入れるだけでも大きな変化につながる。

一着の古着から見えてくる大切な物語。
まずは身の回りの一着からはじめよう。
手に取る一着からはじめよう。

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パタゴニアでは「コモンスレッズ・イニシアティブ」を通して、お客様が着古して使用不可能となったパタゴニア製品をリサイクル(再生)のために回収しています。それらは新しい繊維や生地となりますが、なかにはまだ着ることのできる状態の製品や、素材としての価値のあるものもあります。そうした状態の製品については、素材を生かしたリパーパスや古着として再利用(リユース)します。それはエネルギーなどを使ってリサイクル(再生)させるよりも環境負荷が少なくなります。

そうしたパタゴニアの再利用(リユース)の仕組みを支えてくれるパートナーのひとりが、日本国内で発生した中古衣料を、過去15年にわたり日本国内で循環させる事業に取り組んできた、国内循環古着プロジェクトの代表を務める小泉壱徳氏です。パタゴニアで回収された製品からまだ使用できるものを買い取り、自身の経営する会社の国内循環古着専門店「衣~ころも」にて販売します。

また、パタゴニアが回収した製品を再利用(リユース)するために販売したことで得た売り上げ金はすべて、古着の交換会を主宰する「xChange」へ寄付します。小泉氏は、「xChange」開催後に残ってしまった古着を引き取り、新たな持ち主を見つける手助けをすることでも、再利用(リユース)の仕組みを支えていくことになります。

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