公有地にはなぜ価値があるのか?
公有地か私有地かにかかわらず、アメリカの土地はすべて先住民族と先住民族国の古代の土地であり、そのほとんどが彼らから略奪されたものです。今日、6億1,400万エーカー(アメリカの26.6%)が公有地として委託され、連邦政府(ほとんどが米国土地管理局(BLM)、米国林野部(USFS)、米国魚類野生生物局(USFWS)そして公立公園局(NPS))の管理下にあり、そのおおよそ14%(たとえば原生地域、国定記念物と国立公園)が開発と資源採取から、何らかの保護を受けています。残りはビジネスに解放され、林業、鉱業、掘削などを含むさまざまな産業が利用しようと、ウズウズしています。しかしこれらの公有地には資源抽出を超えた巨大な価値があるのです。以下はそれらのほんの数例です。
経済
連邦公有地の最大面積を有する西部の遠隔地にある郡は、公有地の少ない場所に比べて、1970年から2014年にかけて平均1人当たりにつき人口、雇用、個人所得の成長が早いことを示しています。
生物多様性
公有地における生物多様性は、種が自生の環境で交わり、適応し、繁栄できることで促されます。種内、および種と生態系のあいだでの可変性は、あらゆる生命体のためにより優れた安定性を提供します。
炭素吸収源
公有地を自然のままに残すことで、炭素吸収能力を保護し、気候危機を緩和することに役立ちます。抽出産業は二酸化炭素を排出するばかりか、自然のシステムを妨げることにより、炭素隔離能力をも減少させます。
飲用水
水道から出る水のほとんどは長旅を経たもので、おそらく公有地に起因するか、公有地を通過しています。1億8千万のアメリカ人が公有地を起源とする川と帯水層からの水を飲用しているのです。
精神衛生
千葉大学の研究によれば、森林セラピーはコルチゾール(闘争・逃走反応のストレスホルモン)のレベルを12.4%減少し、心拍数を5.8%下げます。免疫機能の指標である「ナチュラルキラー細胞」の活動は23%増加し、被験者が都市での生活に戻ったあとも1か月維持しました。
狩りと釣り、そして伝統的な集会
何千年ものあいだ、先住民は食用、薬用そしてその他の文化的ニーズを満たすため、古代の土地で木や植物を集めてきました。今日公有地では、エルク、シカ、水鳥、自生トラウトなどが育ち、繁栄することができ、それにより私たち全員、そして子供たちとその子供たちが狩りと釣りをすることができるのです。
文化遺産と多様性の受け入れ
公有地は歴史的意義をもつ現在も利用され、共有の一体感を育成し、アメリカの物語を拡張する伝統的文化財(TCP)と聖地、その他の場所を保護します。
コミュニティ
公有地は大規模、あるいは遠隔の場所に限りません。それは国立史跡や保養地として、私たちの町や近郊にも存在します。そのうえ、州立および地元の公園と保護地はアメリカでほぼ2億エーカーにものぼります。とくに国立公園を訪れる財力に欠ける人にとって、近隣の公園や行楽地とともにそれらは集会の場所やアウトドアの手段となる、重要な地元の財産です。