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地方議員という選択。暑すぎた夏。日本の気候変動対策のいま。

鈴木 かずえ  /  2024年4月17日  /  読み終えるまで7分  /  アクティビズム

地球沸騰化の今時代、 わたしたち市民/住民ができること、また住民の代表として、わたしたちが住む自治体の議会に参加し、住民の意思を行政や財政に反映させることのできる地方議員の存在。

気候変動の現在地

わたしが気候変動についての取り組みを始めた1991年のことです。その年ボランティアをはじめた国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンでは「ストップ地球温暖化」キャンペーンを行っていて、人間の活動で排出される二酸化炭素が、地球温暖化を引き起こすことを警告していました。そこでは「地球温暖化の脅威」を伝えるために、バングラディシュの水害、ツバルの海面上昇、アフリカの旱ばつなど、海外の写真を使っていました。でも近年、「地球温暖化」という言葉は「気候変動」、そして「気候危機」となり、使う写真は海外のそれではなく、日本の気候災害の写真になりました。

2023年は観測史上最高の暑い夏でしたが、今後ますます暑くなっていくことが予想されています。

気候変動の原因である二酸化炭素は、石炭火力発電所、LNG(液化天然ガス)発電所と鉄工業からの排出で半分を占めます。つまり、電気の作り方、鉄の作り方を、化石燃料を燃やしてつくる方法から、再生可能エネルギーを使う方法に変える必要があります。電気の作り方を変えるといった大きな「システム・チェンジ」を実現させるには、それを求める市民の声を国や自治体の政策に反映させる必要があります。

地方議員という選択。暑すぎた夏。日本の気候変動対策のいま。

そしてじつは、市民の声を反映させるためのしくみはたくさんあります。

・自治体が実施する住民アンケートやモニタリング
・知事や市長、議員とのタウンミーティング・対話の会
・知事や市長への手紙、意見、提言の送付
・要望を行政に伝える議会への陳情・請願
・知事や市長へ政策提言や助言を行う審議会(市民委員制度)への応募
・選挙(投票、立候補、応援活動)

グリーンピースが事務局となっている「ゼロエミッションを実現する会」では、市民の声を反映させるためのこうしたしくみを使って、市民が自分の住んでいる自治体の気候対策の強化を実現する手助けをしています。

たとえば、国立市では、たった一人の女性が活動を始め、市の環境審議会委員に応募しました。採用されたその女性は、気候危機の現状や、市がすべき対策について意見を述べています。そして市の温室効果ガス削減目標設定に際し、仲間に加わった国立市在勤や在学の市民とともに、「国立市では目標の引き上げができる」ことを専門家の協力を得て市の職員や市長に説明し、対話を重ねることで目標の引き上げが実現しました

また港区では、「再生可能エネルギーへの切り替え促進を求める請願」などを区議会に出して採択され、その後、区の全施設の電力を再生可能エネルギーでまかなうことが発表されました。このことは今年2024年1月1日の東京新聞にとりあげられ、ある与党区議は取材に対し、「請願の影響がないはずはない。議会でも議論し、関心を高めた点で成功だった」と答えています。別の区議では、「毎回請願を出される方がいて、おかげで議員も勉強するし、区の取り組みも前進せざるを得ない。有権者の政治参画は投票だけじゃない」とソーシャルメディアでつぶやいています

「ゼロエミッションを実現する会」では、個人やグループにかかわらず、自治体の気候変動を進めたい!と思う人たちが互いに助け合って活動をしています。こうした活動に参加したり、あるいは興味のある方は、まずはFacebookグループで情報を得たり、Instagramのフォローからはじめるのもよいかもしれません。

気候変動の現在地については、ゼロエミッションを実現する会事務局:国際環境NGO グリーンピース・ジャパン)以外にも、認定NPO法人気候ネットワーク350.org Japan、一般社団法人Protect Our Winters Japanといった環境NGOや、ドキュメンタリーを制作して気候危機を発信しているrecord 1.5でも知ることができます。また、シンクタンクである一般社団法人Climate Integrateの資料もわかりやすいです。

地域で行動する/地方議員という選択

今年1月から2月にかけてパタゴニアの全直営23店舗で実施したイベントでは、「気候変動の現在地」を気候団体から共有したあと、地域で行動するとはどういうことか、そして地方議員というのはどういう人なのか、というなかなか知ることのない話を、日本若者協議会の室橋祐貴さん、若い世代のための政治と社会の教科書メディア「一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN 」の共同代表の能條桃子さん、足立あゆみさんなどがしました。

地方議員という選択。暑すぎた夏。日本の気候変動対策のいま。

地方行政は生活と直結しています。そのため、自分の住んでいる地方議会で何が議論されているのかを、地方紙や地方議会のウェブサイトや広報誌などをチェックすることで、知ることが大切です。そうして実際に市⺠からの提案を自治体の政策に反映させることもできます。

能條さんは、小学校のときに住んでいた自治体が開いた「青少年議会」に参加して以来、若者の政治参加について考えつづけ、投票率が80%を超えるデンマークに留学して「選挙はワクワクするイベント」だと感じたそうです。ノルウェーのオスロの19歳で当選したある議員は、「若い世代の意見を代弁したい」との思いから立候補しています。

日本でも、被選挙権引き下げプロジェクトといった動きもあります。立候補できる年齢が、日本では、参議院議員と知事が30歳、それ以外は25歳以上に設定されているのです。さらに20代、30代といった若い女性の市町村議員は1%未満しかいません。一方で社会課題についてみんなで話し合い、NPO/NGO/学生団体や各党の政治家と若者が気軽に対話する「民主主義ユースフェスティバル」といったイベントも国内で生まれていて、東京で2回目の開催を経て、今後は地方での開催が予定されています。

地域で何ができるのか

みなさんは、温暖化の影響を日々の暮らしのなかで感じますか?千葉の漁業者は、採れるはずの魚が採れなくなり、採れないはずの魚が採れるようになったと話します。白馬のスノーボーダーは、近年雪が降らなくなったと話します。横浜の学生さんは、昨年は授業を受ける教室がこれまでになく暑かったと話します。

マイバックを持ち歩く、その次のステップはなんでしょう?家の電気を再エネに変えることを他の人に薦めたい人。その再エネ電源への変更に補助金を出してほしい人。今度、町長選挙に立候補しようと思う人。

自治体にしてほしいことはなんでしょう?自転車で移動しやすい街にしてほしい人。クラゲの発生時期がずれて温暖化を感じるから、海洋環境を守ってほしい人。セッションに参加したみなさんは、なぜ気候変動と地方議員、そして地方政治なのかが、このイベントに参加したことで腹落ちしましたと語ってくれました。自分たちの暮らしや未来を考えることと、気候変動の課題に取り組むことは同じこと、そして地域には可能性があります。

地方議員という選択。暑すぎた夏。日本の気候変動対策のいま。

まだ記憶に新しい、観測史上「最も暑い夏」だった2023年。国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と語りました。

けれどもわたしたちは、人間の生活や自然環境への影響を体感しつつも、気候変動への具体的な日本の政策や方針/方向性を見聞きすることは多くありません。一方、日本国内の各地域に目を向けてみると、脱炭素社会、ゼロカーボンとして、市民とともに未来をつくる新しい動きもあります。

わたしたち市民/住民ができること、また住民の代表として、わたしたちが住む自治体の議会に参加し、住民の意思を行政や財政に反映させることのできる地方議員の存在。

これからも地球で暮らしていくために、わたしたちの手で、気候危機を食い止めませんか。

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