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Photo:  Patagonia Sin Represas
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ハイドロ・アイセンの日暮れ、パタゴニアの夜明け

By エミリー・ジョヴェ、インターナショナル・リバーズ   |   2014/06/05 2014年6月5日

Environmental Update [May 2014] from Rios Libres on Vimeo

パタゴニア地方の野生のバケル川とパスクワ川に5基の巨大ダムを建設する提案であるハイドロ・アイセンほど、チリ人を行動に駆り立てたエネルギー・プロジェクトはありません。すでにこれはチリ国内で数々の討論と変化を巻き起こしていますが、あとひと月以内に下される最終決定はダムそれ自体を超えた、さらに膨大な影響を及ぼしつづけることになります。

ハイドロ・アイセンがすでに変化という影響を与えているなか、本プロジェクト認可の合法性についての最終判決は、チリにとって大きな違いをもたらす方向付けとなります。それはパタゴニアにさらなる巨大ダムと採鉱を許す方向、あるいは重大な環境改革につながる方向です。

編集者記:『180° South』の読者はこの問題についてすでにご存知でしょう。ダムについて下記のアップデートをお読みになり、下のリンクから行動を起こしていただけるようお願いします。

ビデオ:2014年5月、リオ・リブレによる環境アップデート(英語)

ハイドロ・アイセンの最新状況

大統領選へ向けて最有力候補かつ前大統領のミシェル・バチェレは、ハイドロ・アイセンの実現可能性について強く否定する見解を表しました。彼女のコメントにつづき1月7日、ハイドロ・アイセンの過半数を所有するエンデサ・チリは、訴訟およびダムの送電線建設の不確実さを理由に、2013年末に投資家に提示した進行中のプロジェクトのリストから巨大水力発電ダムを削除しました。同社はすぐにこのプロジェクトを放棄したわけではないという声明を出しましたが、このニュースは当初、行動家に希望の衝撃波を送りました。

3月19日、大統領就任のわずか8日後、バチェレ大統領のもと就任した新しい閣僚委員会は、1月末にピニェラ政権が(ダムの影響を評価する追加調査を依頼するために)下した決断に「違法の欠陥」があるとして、それを無効にする決議を発表しました。そして環境大臣のパブロ・バデニエルの発表は、閣僚委員会は追加調査の依頼をせず、60就業日以内に現状のままプロジェクトの環境認可の可否についての最終決定を下すというものでした。〈International Rivers〉とパタゴニアのパートナー〈Consejo de Defensa de Patagonia〉はバチェレ政権が60日の締切を守り、6月10日かそれ以前にこのプロジェクトをキャンセルすることに期待しています。

Photo:  Patagonia Sin Represas
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ハイドロ・アイセンの認可が成立した場合

このプロジェクトへの上訴が退けられ、環境認可が支持された場合、ハイドロ・アイセンの1,900キロにわたる送電線のみならず、さらに多数の進行中の巨大ダムプロジェクトにゴーサインが出るでしょう。クエルボ川とフタレウフ川に予定されている2基の巨大ダムは、次の段階に影響を与えるこの閣僚委員会の決断を不安のなかで見守っています。クエルボ川とフタレウフ川のダムは、ハイドロ・アイセンの提案する送電線を使ってチリ北部にエネルギーを配電することになるはずだからです。この送電線についての環境影響報告はまだ提出されていませんが、ダムの認可の成立につづくことでしょう。

フタレウフ川の水利権を所有するエンデサは、環境影響報告が提出されていないにもかかわらず、この川における3基のダムの建設計画について投資家に伝え、また同社の書類でもそれに触れています。 〈Futaleufú Riverkeeper〉を含む地元組織は、プロジェクトが前進した場合、法的支援を提供し、地方自治体のメンバーを動員するための取り組みをしています。

クエルボ川のダムはピニェラ政権のもと2012年5月に環境認可を受けました。しかし反対側は、環境認可は違法であるという理由でこの決定を上訴しています。今年4月4日、チリ控訴裁判所は環境影響報告が必要条件をすべて満たしているという判決を下し、7億3千3百万ドル相当のプロジェクトにゴーサインを出しました。しかし戦いは終わりません。環境保護団体は最高裁に上訴し、このプロジェクトを退けさせることを期待しています。

つまりハイドロ・アイセンは、さらに北部にある他のダムの認可につながる電気の高速道路を開くことになるのです。さらにこの地方における最初の工業規模のプロジェクトにより、この土地が採鉱を含むなお一層の搾取にさらされることになります。

ハイドロ・アイセンが中止になった場合

一方、ハイドロ・アイセンに終止符を打つことは、パタゴニアにおけるこの種の破壊的プロジェクトは許されないという強力なシグナルを送ることになります。すでに着手されている水利権改革とあわせて、パタゴニアを法的に長期的に保護するチャンスがあるのです。〈Ríos to Rivers〉はパタゴニアの一部の長期保護を促進するため、ユネスコの世界遺産リストへ加える取り組みをしています。また〈Consejo de Defensa de Patagonia〉の私の同僚は、パタゴニアを取り巻くすべての川をアメリカの「原生・景観河川法」に類似した法律によってダムと採鉱の恐れから保護する法律を制定するために働いています。

プロジェクトが却下されてもハイドロ・アイセンが環境影響報告を修正し、新たに提示する可能性はつねにあります。しかし、このプロジェクトに反対する勢いは克服不可能かもしれません。

Photo: Patagonia Sin Represas
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何年もにわたり、反対の声を広めてくれた世界中の何千もの人びとのおかげで、私たちは勝利寸前であることを強く信じています。ハイドロ・アイセンのようなプロジェクトが日の目を見ることを防ぎ、パタゴニアをこれからやってくる世代のために保護する変革はすぐそこにあると期待しています。バチェレ大統領にこのプロジェクトをきっぱりと中止するよう依頼の手紙を出すことにご協力をお願いします

エミリー・ジョヴェは〈International Rivers〉のプログラムアシスタント。「環境および社会的正義への情熱とともに、私は草の根の努力を支持し、コミュニティがみずからの将来を決める力を確実に持てるようにしたいと願っています」

Rios Libres〉はパタゴニアを野生に保つために働く冒険家、写真家、作家、映画制作者そして科学者のチーム。2010年以来、彼らは刺激的な映画とメディアを開発し、地元民を力づけ、手つかずのパタゴニアの壮大な美を記録することにより、環境保護を勝ち取るために取り組んでいる。

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