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ネイサン・ハークルロード  /  2021年6月3日  /  読み終えるまで7分  /  ワークウェア

「僕が望んだ唯一のことは農家をはじめて家族を養うお金を稼ぐことだった」と言うオーガニック農家のハビエル・サモラ。「できればもう一度家を買って、僕が真に楽しめること、情熱を抱ける何かをやることだった」

「やあ友よ。横になってもいいかい?」と聞くのはオーガニック農家のハビエル・ザモラ。僕が彼にビデオコールしたのは午後7時で、彼が午前4時半から働いた農場からちょうど戻ってきたときだった。彼が疲れているのは明らかだったが、それは満足感のある種のものだった。彼は照明を落とした。

過去11年間にわたり、僕は ALBA : Agriculture and Land-Based Training Association (農業と土地活用・研修協会)の起業プログラム・マネージャー、教育プログラム・マネージャー、そして主にプログラム・ディレクターを務めてきた。カリフォルニア州サリナス・バレーを拠点とするALBAはその100エーカーのトレーニング施設にて独立したオーガニック農家となれるように農業労働者を訓練する組織だ。僕はこのキャリアで多くの人と仕事をしてきたが、ザモラのような人には出会ったことはなかった。

メキシコ、ミチョアカン州の農業コミュニティに生まれたザモラは20歳のときにアメリカへ移住した。「ロサンゼルス郊外のアメリカの高校に入り、バイリンガルにならなければならなかった。住民ビザを持っているので、その意味では楽だった」と彼は言う。高校を卒業する代わりにザモラはレストランと接客業で仕事をするようになり、彼の社交的で人を楽しませる性格は出世の後押しとなった。「ああ、僕はあらゆる背景の人と出会ったね。裕福な人から貧乏な人、ハゲ頭や長身の人、様々な社会層の人たちに」と彼は彷彿する。

2009年、経済後退により家を失ってはじめてザモラは農業のルーツへと戻る決意をした。43歳の彼は「世界のサラダボウル」として知られるカリフォルニア州サリナス・バレーに引っ越した。苗床で働き、高校教育を終え、カブリーヨ大学で園芸を学んだ。ALBAをチェックしてみることを勧めたのはこの大学の教授だった。

「ああ、ALBAに出向いた最初の日のことを覚えているよ。コース終盤だったが、オーガニック生産のテストに合格できたら参加させてくれると君は言った」とザモラは語る。彼は合格し、即座に際立つようになった。典型的な生徒ではなく、彼のバイリンガルの語学力はALBAがチームに通訳として加わることを依頼するほどだった。同時に彼は借りていた小さな1エーカーの農場に着手した。ALBAのコースを取りながらザモラは地元の農業コミュニティの人びととの関係を築き、彼独自のユニークな生産スタイルに取り組んだ。僕は「君はあの場所で隅々まで植えつけていたよね。僕のお気に入りはコースト・ライブ・オークの日陰に育ったアルボルだった。君はトレーラーホームの階段の柱の周りにすら植えていた」と回想し、2人で笑った。

ザモラは地域のオーガニック農家の地元支部の集まりにはじめて出向いたときのことを思い出す。「それは地元の小規模オーガニック農家の殿堂のような集まりだった。皆白人で。彼らは僕を見て驚いていた。卑しい人種差別的な意味ではなく、ただ茶色の肌をした人が混じっているのに慣れていなかった。ある意味笑えたね」

ザモラはすぐに1エーカーでは足りなくなり、自分の農場を手に入れた。いまでは、彼はJSMオーガニックスのオーナーで、モントレー郡北部の涼しい丘陵200エーカーでオーガニックの野菜とイチゴと花を通年育てている。彼はナチュラルフードの店とファーマーズマーケットで作物を売り、40人以上を雇用する。彼の成長が早すぎるのではないかと懸念する人がいることに言及すると、彼は「僕は参入が遅かったんだ。今しかない」と言う。

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スタインベックの国あるいは世界のサラダボウルと呼ばれるカリフォルニアのサリナス・バレーは農業労働関係の焦点となってきた。

農業には支えとなるコミュニティが大切で、多くの農業労働者にとってそれがいかに文化的障害であるかについて僕らは会話する。「メキシコからやってくる一部の人は多くの不信感を抱いている。解放的になる必要がある」とザモラは語る。「新たに取り組むことを手助けするたくさんの素晴らしい資源があり、誰が、そして何が助けてくれるのかを知ることが必要だ。そこには十分な空間と希望が存在する。僕を後押ししてくれる人、一緒に歩んでくれる人がいることも知っている。人種は関係ない。勤勉さがすべてだ。全力を投じるときだ!」

「僕は第二言語がスペイン語の労働者すら雇っている」とザモラは言う。「つまりメキシコからやってきた先住民だ。他の労働者に通訳を手伝ってもらっている。僕は農家が彼らを必要とし、彼らも農家を必要としているというアイデアを掲げて労働者にインスピレーションをもたらそうとしている。尊敬すること。そして優遇する。僕よりも稼いでいる人も数人いる」

ザモラはALBAやその他の農作業を通してカリフォルニアの小規模ヒスパニック農家の代弁者となり、全国レベルでの仕事すらするようになった。彼は農業慣行とビジネスにおいては自分自身を「開かれた本」と表現する。彼はまた農業の初心者に彼の土地の小区画を貸し出し、その製品のマーケティングを手伝っている。これらすべてはJSMオーガニックスの仕事に加えてのことだ。

僕のコンピューターのスクリーンにザモラが照明を落としたオフィスに横たわっているのが見える。彼は僕の質問に快く答えてくれるが、疲労困憊しているのは明らかだ。明日、彼は日の出前に起床し、再び働く。僕は彼になぜこれほどまでにお返しするための時間を割くのかと聞いた。「僕は参入する困難を緩和させてやりたいからやっているんだ。僕のような農家の声となるために進み出てくれる人は皆無かあるいはほとんどいない。だから僕がやらなければならないんだ」と彼は語る。

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カリフォルニア州サリナスのフープハウスを出るサモラ

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モントレー郡北部の涼しい丘陵でイチゴを摘む農業労働者。カリフォルニア州ロイヤル・オークスのJSMオーガニックス

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日の出前のイチゴ。カリフォルニア州ロイヤル・オークスのJSMオーガニックス

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JSMオーガニックスの事務所のハビエルと娘のシンシア・サモラ。カリフォルニア州ロイヤル・オークス

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サモラの典型的な1日は夜明けよりずっと早くはじまり、夕暮れに終わる。カリフォルニア州ロイヤル・オークス

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カリフォルニア州サリナスのALBA本社でトラックに荷を積む労働者。

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「そこには十分な空間と希望が存在する」と言うサモラ。「勤勉さがすべてだ」カリフォルニア州サリナス・バレーの日没。カリフォルニア州のサリナス・バレー

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