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輝くアンバサダーたちと共有したシャモニの時空

谷口 けい  /  2014年4月17日  /  クライミング, スポーツ

先日クリーネストラインでご報告した、3月19~20日にシャモニで行われたパタゴニア・アルパイン・プレスイベントには、7名のアルパインクライミング・アンバサダーが参加していた。シャモニ在住イギリス人のマットとジョン、同じくシャモニ在住のカナダ人のマックスとアメリカ人ゾーイのカップル、ご近所のスロベニアからマルコ、アメリカ、コロラド州からスティーブ、そして日本からは私。

マックスとゾーイとマルコとはアラスカやスコットランド、シャモニなどで何度か一緒になったことがあるが、マットとジョンは初対面。彼らから受けた印象はとても強い。無条件に人を惹きつける輝きをもっているとでも言おうか、話しているとお互い笑顔でいずにはいられなくなる。人と山と自然が本当に好きなんだって思うし、冒険的クライミングと人生を楽しんでいる部類の人たちだと確信する。

そんなマット・ヘリカーとジョン・ブレイシーが昨秋に新しく引いたライン「La Ligne Cachee (=the Hidden Line)」をスティーブ・ハウスとともに登らせてもらった。いつもは寒風吹き上げるエギーユ・デュ・ミディ西壁もこの日はポカポカと春の陽気だった。出だしは「vent du dragon」と同じラインだけれど、ちょっとしたフェースをバランスで登ったあとは、素直にまっすぐ延びるクラックラインへと直上していく。どうしてこんな素直なラインが昨秋まで残されていたんだろうって思うくらい、素敵に楽しいラインだ。チョックストーンを乗越し、微妙なワイドクライミングを経て、ワイドハンドのクラックがつづく。アックスでのフッキングもバッチリ効き、チムニー状のなかには氷もあり、「スクリュー持ってきて良かったね」とスティーブと話す。

そう、アルパインクライミングは登る人によって登り方もプロテクションの取り方もそれぞれだ。だからおもしろいし、登るごとに同じじゃないものがそ こにあるというのが最大の魅力だと思う。誰かの言うとおりにギアを使ったり、登ったり(ムーブというのか)するのはナンセンスなのだ。「聞いていたのと話 が違う!」っていう状況こそ、アルパインクライミングの醍醐味だろう。体の大きさも、得意なギアの使い方も、クライミングの楽しみ方も、千差万別だからこ そおもしろい。

スティーブと登って、この瞬間のクライミングを最高に楽しんでいるのがよく分かった。リードしている彼に声をかけると「最高 に楽しい!」とか「こんなの楽 しすぎる!」という返事が返ってくるし、むずかしいクラックセクションではグローブを外して手に血を滲ませながら登っていたり、当たり前ながらギアの使い 方が本当に上手いなーって感心した。そして、シャモニでは美味しいものをたくさん食べたけど、今回のベストはスティーブとともに食べたGenepi アイスクリーム(Genepiはサヴォア地方のローカル・ハーブ・リカー)だったのも、忘れずに記しておこう。

この2日間のプレスイベントの前に、3日間のフリータイムを満喫。そのときのようすはこちらでお読みいただけます。

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