豪ビクトリア州、マウンテン・アッシュの森の保全について
2023年3月10日
日本製紙株式会社
代表取締役社長
野沢 徹 様
パタゴニア・インターナショナル・インク
日本における代表者 マーティ・ポンフレー
〒244-0805 神奈川県横浜市戸塚区川上町91-1
BELISTAタワー5階
豪ビクトリア州、マウンテン・アッシュの森の保全について
謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配をたまわり厚く御礼申し上げます。
野沢様には直接お会いしたことがないにも関わらず、突然のお手紙を差し上げる失礼をお許し下さい。私は、米国のアウトドア企業、パタゴニアの支社である、パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社の代表者、マーティ・ポンフレーと申します。
本日は、オーストラリア・ビクトリア州 においてThe Great Forest National Park(グレート・フォレスト国立公園)を創設する提案について、貴殿との面談をお願いするためにお手紙を差し上げました。
先日、日本製紙株式会社が、オーストラリア・ビクトリア州において、連結子会社 Opal社のメアリーベール工場の一部の製造設備を恒久停機し、グラフィック用紙事業から撤退する決定されたことに、私は非常に勇気づけられました。 この決定は、200人以上の工場従業員とその家族に影響を与える、大変困難を伴うものであったと認識しておりますが、一方で、貴殿の行動は、オーストラリアの非常に重要な生態系を将来の世代のために保護する扉を開くことになりました。
私の同僚であるパタゴニア・オーストラリアのジェネラル・マネージャー、ディーン・オシャナシーからの手紙を同報いたしました。この手紙の中で、 ディーンは2019年から2020年にかけての壊滅的な夏の山火事がビクトリア州の原生林の広大な地域を破壊し、絶滅危惧種を含む数百万の動物が死亡したことを強調しています。 この惨状にもかかわらず、山火事を生き延びたマウンテン・アッシュの皆伐が続いてきました。 しかしそれでも、今行動を起こせば、より良いマネジメントができるチャンスがあります。
地域コミュニティが提案するThe Great Forest National Parkの創設は、世界で最も高い炭素貯蔵量を誇る樹木のひとつであるマウンテン・アッシュをはじめ、最も絶滅の危機に瀕している植物や野生動物を守ることにつながります。
私は確信しています。貴社が、このかけがえのない森と生態系を守るための手段を講じることが、私たちの故郷である地球を救うことにつながり、日本の他の多くの企業の模範となることを。
パタゴニア日本支社は、まもなく4月から、日本において「The Great Forest」キャンペーンを積極的に展開していきます。そして、「The Great Forest National Park」の実現に向けて、貴社の協力、そしてパートナーシップを呼びかけていきます。
つきましては、まずは日本において、貴殿と面会する機会をいただきたくお願い申し上げます。その上で、貴殿が、直接にマウンテン・アッシュの森の生態系価値の高さと同時に、地元コミュニティが提案しているThe Great Forest National Parkについてさらにご理解を深めていただけるよう、アッシュ・マウンテンの森の訪問にご招待し、私も同行することを望んでおります。
野沢様からのご返信を心からお待ち申し上げております。
謹白
Marty Pomphrey