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ベアーズ・イヤーズを祝う

カサンドラ・ピノ  /  2020年1月24日  /  アクティビズム, 環境

3年前となる2016年12月28日、オバマ大統領は古文化財保護法令のもと、行政権により135万エーカーのベアーズ・イヤーズ国定記念物を設定しました。これはアメリカ先住民の独立部族が連合し、国定記念物指定を求めて大統領に嘆願した、はじめてのことでした。ホピ族、ナバホ族、ユート・マウンテン・ユート族、ズーニ族、ユート・インディアン族は、現在ユタ州南部に位置する彼らの神聖なる長年の故郷を保護すべく、取り組んできました。これらの5つの部族は〈ベアーズ・イヤーズ・インター・トライバル・コーリション〉を設定し、その使命はベアーズ・イヤーズの景観が未来の世代のために最大の環境的かつ文化的配慮のもとに保護されることです。

オバマ大統領の宣言により、ベアーズ・イヤーズが5つの部族間と連邦政府の協働的管理を通して保護されることを義務付け、これらの先住民族の指導者が連邦政府の役人と対等の立場でその地域の自然、文化、歴史そして科学的資源の包括的な保護を設定されることが決定しました。

トランプ政権が不法な試みに乗り出したのは、その後わずか1年足らずのちのことでした。アメリカ史上最大の公有地削減を実行し、ベアーズ・イヤーズの国定記念物を撤回し、はるかに小さい2つの区画に置き換えたのです。保護地は合計で85%も削減されました。5つの部族間同盟は国定記念物の撤回が不法であることを求め、トランプ大統領を告訴しました(パタゴニアは本件において3つの係争中の訴訟の1件に関わっています)。訴訟が長引くなか、ベアーズ・イヤーズの文化および自然資源は略奪、冒涜、搾取の危険にさらされつづけています。

ベアーズ・イヤーズ国定記念物の設定から3周年を記念して、ホピ族の副会長で〈ベアーズ・イヤーズ・インター・トライバル〉の代表であるクラーク・テナコンヴァ氏に、なぜベアーズ・イヤーズが保護されるべきかについてお話を伺いました。

インタビューは分かりやすくするために編集および要約されています。

カサンドラ・ピノ:あなたとホピ族にとって、この場所が意味するものは何ですか?

クラーク・テナコンヴァ:ホピはいまも存在します。私たちは何千年も前に私たちがベアーズ・イヤーズで実践してきたのと同じ宗教と文化を敬っています。ホピ族の歴史はそこで詳しく綴られています。私たちのキバ、居住地、岩壁は、今日も存在します。私たちがそこを去ったとき、それらの神聖な場所に私たちがいたことをずっと知っておけるようにと、過ごした時間の証拠をそこに残しました。これらの場所はいまも私たちの儀式で言及されています。私たちはその地方で移動した理由を知っています。ホピとしていまもここに存在する理由、同じ言語を話し、神に誓ったスチュワードシップを敬っている理由を知っています。私の副会長としてのビジョンは一般の人びとにベアーズ・イヤーズの景観を保護する価値がある理由を伝えることです。

なぜ5つの部族間同盟は共同でベアーズ・イヤーズを守り、国定記念物になるよう提案することが重要だと2015年に考えたのですか?

それぞれの部族がこの地域を保護するそれぞれの理由をもっています。ホピについて言えば、ベアーズ・イヤーズは一部のホピ族が現在の場所に到着するためにたどった古代の移住ルートの一部です。他の先住民族もこの場所にやって来ました。彼らは私たちが残した居住地に住み、この土地をつうじて彼ら自身の旅をしました。プエブロ族もいれば、ユート族もいます。ディネ(ナバホ)族も。ベアーズ・イヤーズはつねに安全な避難場所、つまり私たちを保護してくれる場所でありつづけています。どこに行っても壁や居住地のなか、また泉のまわりに存在した人びとの証が残されています。そこには美と価値観が存在し、スピリチュアルな場所、崇拝する場所としての重要性があります。私たちの祖先とその魂はいまもそこに存在するのです。それが適切に保護されなければ、私たちは多くのものを失います。

同盟は5つの部族すべてが共同で1つの書類を作り、先住民主導による土地計画努力に着手すると発表しました。この計画について少しお話しいただけますか?

ホピ族の観点からいえば、それは全地域を保護することになります。この計画のもと、部族の指導者、文化的アドバイザー、部族資源部門、そして部族地域のメンバーは、ともに働き、先住民により導かれた土地管理書類を作成します。私たちの目標は部族の伝統的知識と先住の専門知識を能動的に促進するよう計画することです。連邦機関は大体の場合、土地管理に西洋科学を優先させるため、この方法が重要なのです。その代りに私たちは伝統知識を強化し、西洋科学を取り入れた包括的なやり方をします。これにより、この神聖な景観を保護するための将来の計画努力がより豊かなものとなります。私たちは努力に共同で取り組んでいますが、部族としての特長も尊重しています。ナバホ・ネイション、ユート族、プエブロ族、そして私たちホピ族が何を重要視するかは重複することもあれば異なることもあるからです。それぞれのメンバー部族を確実に尊重するために、私たちの価値観と考えのすべてをこの計画に含めるのです。

同盟の目標のひとつは、この書類が世界中の先住民の国家モデルとしての役目を果たすことですね。ベアーズ・イヤーズを守る問題は、どういう意味で、生きる景観を保護するという世界の先住民の申し立ての不可欠な要素なのですか?

今日、私たちは以前とは違うことについて闘っています。つまり土地でではなく、法廷においてです。すべては法廷システム全体にわたる訴訟で争われています。ですからこの先住の土地管理モデルで成功を収めることができれば、世界中の他の先住民のネーションも「アメリカではこれらの5つの部族が協力して政府に故郷を保護することを求めたんだぞ。そして政府はこの景観の重要性を認識し、国定記念物にしたんだ」と口にすることができるのです。

ベアーズ・イヤーズへの差し迫る脅威のうち、いちばんの懸念は何ですか?

ベアーズ・イヤーズには何十万もの文化遺産がありますが、不幸なことに、それらは長年その景観から取り除かれています。訪問者は陶器の破片やトウモロコシや建築材など、持ち運べる大きさの歴史的な物品を目にします。そしてそれに惹かれると、ベアーズ・イヤーズで過ごした時間の記念品として持ち帰ります。しかしそれはこの場所の重要性が少しずつ取り除かれることになります。彼らは先住民の歴史を消し去り、今日の先住民の子孫とその祖先へのつながりを断ち切っているのです。いま私たちの部族、そしてその他の先住民のコミュニティがベアーズ・イヤーズに戻ると、祖先が残した遺物がどんどん少なくなっていることに気づきます。それには心が痛みます。ホピはそれらが残されたのには何らかの理由があると信じています。私たちの祖先は証拠を残すことにより、この地域全体にその存在を刻みました。一部においては、それらの物品は埋葬儀式の一部であったりします。訪問者は神聖な場所から何も持ち帰るべきではありません。

訪問者が知るべきことは何ですか?ベアーズ・イヤーズを保護するために何ができますか?

伝えたいことは、そっと歩くこと、でも最も重要なのは敬意をもって訪問することです。景観を見渡し、何千年も前にそれらの地域に居住した人がいて、土地はそのまま残されている、ということを想像するのです。それらの人びとは土地と調和して暮らし、ホピの観点で言えば、彼らは生存するためにとても特別な技術を持っていました。彼らはほとんどの人が登れない場所に穀物倉や居住地を建てました。しかしいまではハイカーやクライマーはそれらの場所を使いたがります。そこ以外のどの場所に懸垂下降しても構いませんが、それらの場所はそのままにしておいてください。ハイキングするチャンスがあって、遺産を見つけたとしても、触る必要はありません。遠くからただ眺めればいいのです。とても脆弱な居住地に入る必要はまったくありません。この場所を尊敬し、祈りを捧げ、その美を楽しむ……。先住民がその地方でいかに生き残ってきたか、その意義を尊敬し、それらを敬い「アメリカの真の歴史の一部を経験してよかった」と感じてください。ベアーズ・イヤーズには、他の訪問地と同じように、尊敬の念をもって訪れてください。

ベアーズ・イヤーズ訪問の際のヒント:

ベアーズ・イヤーズには10万以上の文化遺産がありますが、それらを適切に守るために必要な保護を現在受けていません。この景観は最近、世界で最も危機にさらされている文化遺産のひとつとして、2020年のワールド・モニュメント・ウォッチのリストに挙げられました。ベアーズ・イヤーズを訪問する際は、先住民と彼らのその土地とのつながりを敬うために、以下にしたがってください。

  • そこに向かう前に、ユタ州ブラフにある〈フレンズ・オブ・シーダー・メサ〉のベアーズ・イヤーズ・エジュケーション・センターを訪れてください。この非営利団体は訪問者にこの地域を敬う方法を教えてくれ、スタッフは遺産の略奪、冒涜、破壊を緩和するために現場で働いています。
  • 指定されたトレイルと道路から、はずれないでください。
  • 持ち込んだものは、すべて持ち帰りましょう。これにはあらゆる種類の廃棄物および排せつ物を含みます。糞尿はベアーズ・イヤーズにおいては大きな問題です。それはペットについても同様です。
  • 文化遺産に出会ったら、距離をおいて楽しみましょう。
  • 祖先の建造物に登ったり、キバを乱すことはしないでください。これらは何千年も前のものであり、非常に脆弱です。
  • すべての文化的品物は、見つけた場所にそのまま残してください。陶器の破片などの遺物を持ち帰ることは、先住民の歴史を消すことにつながります。
  • 多くの遺産地、品物、ロックアートはいまも宗教的儀式や慣行に使われています。そのため、先住民コミュニティの一部は、断崖の居住地を歩くことなどは文化遺産を乱すこと、場合によっては冒涜すること、ひいては危害を与えることとみなします。これらの神聖な資源をそっとし、信仰の場所として敬うことに手を貸してください。

コーリションの取り組みの詳細については〈ベアーズ・イヤーズ・インター・トライバル〉のウェブサイトをご覧ください。

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