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2025年度のWork in Progress Reportでは、私たちの唯一の株主である地球への負担を軽減するために行っている、新しくて楽しい、そしてちょっと変わった方法をすべてお伝えします。

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地球が私たちの唯一の株主

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事業の繁栄を大きく抑えてでも地球の繁栄を望むのならば、私たち全員が今手にしているリソースでできることを行う必要があります。これが私たちにできることです。

イヴォンの手紙を読む

世界の果てからの特報

ミーガン・ブラウン  /  2018年7月6日  /  アクティビズム, 環境

世界の果ての風は清潔で冷たい。その威力を和らげるためのたいした陸塊はなく、風は緯度40度を切り裂き、ごく小さな海辺の町、アーサー・リバーの私たちが滞在するプレハブの家を強打する。窓で歪められた風は、ドアの脇に積み重ねられた薪をしょっぱい水しぶきで覆う。ここから北へ一時間のところにあるグリム岬の気象観測基地での測定では、タスマニア北西部のこの地域は世界で最もきれいな空気を記録している。それは感情的であり、不可欠であり、もしかしたら啓示的なのかもしれない。まるでこの風のなかに立つことで、地球はいまも回っているのだということを理解できるかのように。

天気がタスマニアを形作っているとしたら、それを明確にしているのはレインフォレストだ

常連たちがのんびりと歩いて、アーサー・リバーのすぐ先にあるマラワー・タバーンのガラスのスイングドアを抜けるとき、外はすでに暗い。彼らは地元の安ビール、ボーグズを1パイント飲むため、仕事帰りに寄り道する。半ダースの常連客は本腰を入れ、バーテンダーは全員の名前を知っている。建設業者と農夫と測量技師たち。占領されている玉突き台の横の囲炉裏には、火が燃えている。自生魚の写真とジオラマで飾られた隣のダイニングルームの黒板には、その日の特別メニューが書かれている。グリム岬の羊肉、帆立貝のカツ。マッシュポテトの山から湯気が立ち上る。外では風が唸り、バーを囲い込むポーチの上のピクニックテーブルにも刻まれている「西部で最高の」と書かれた看板を打ちつける。

窓の近くにある隅のテーブルで飲みかけのテン(半パイントの方言)を囲んで3人の男が論争している。彼らに共通しているのは、屋外での仕事をする男の外見。グラスをつかむ硬くなった手、目のまわりの皺。彼らは迷彩服とフランネルを着ている。皮肉ではなく。彼らは話したがっている。驚くことではないが。私たちは泥にまみれた作業靴とジーンズを履いているが、それでも人目を引いている。

「ここの天気をどう思う?」と1人が尋ねる。彼は答えではなく、人格を探ろうとしている。「気に入らなければ5分待てってよく言うんだ」私はこのお決まりの文句を聞いたことがある。それは生き残るためには粗暴さと粘り強さという特長の組み合わせが必須の場所ではよく知られた文句だ。しかしここでほぼ3週間を過ごしたあとで、私は認める。タスマニアはそれを申し立ててもいいこと。天気はこの島の決定要素なのだ。その状況、その形状、その人格などの。

「君たちはここで何をしているんだ?」と色あせたカーハートのスウェットシャツを着た男が聞く。彼の声音は懐疑的だが温和だ。

「ドキュメンタリー映画を作っているんです」(私はその同行執筆者だ)

「お前ら、環境保護主義者じゃなかろうな?」

必ずしもそうではないが、私たちが森について話をしたいのは事実だ。

オーストラリアで最も人口密度の低い州は、本土から飛行機でわずか45分ちょっとの場所にありながらも、独特の原始の野生地を保ってきた。世界地図を見てほしい。タスマニアはそれに載ってすらいないかもしれない。ミーンダーの町の製材所で知り合った自動車整備士兼電気工は、大陸が分離し、オーストラリアが北に漂流したとき、タスマニアは足をばたばたさせて泣きわめきながら南極から分離したのだと表現する。そこに存在するというのは、とても奇妙な夢に生きているような感覚だ。すべては馴染み深く、けれども非凡。

著作家リチャード・フラナガン(ホバートで偶然出会ったときに映画のナレーションを依頼したが、説得できなかった)は、かつて『ニューヨーカー』のエッセイで、タスマニアを「驚異の部屋(ヴァンダーカンマー)であり、エギゾチックで奇妙、かつ美しく残酷なものに満ち、前進という観念ではなく、非現実さの感覚をもたらす島」と表現した。それは野生ではなく、原生地。つまり原生地の質は変わりながらも、原生地であるという本質は変わらない。

山々はルーベンスの絵画のように丸々としていて、古い。体は震えていることのほうが多い。

天気がタスマニアを形作っているとしたら、それを明確にしているのはレインフォレストだ。霧がまるでコーヒーに入れたクリームのように林冠に渦を巻く。そこには透き通ったクラゲのように見えるキノコや、道路のセーフティコーンの色のようなキノコが生え、すべては湿気を帯びた活力のある匂いを放つ。クローブやジンのような味のするペッパーベリーをはじめ、マートル、ブラックウッド、サッサフラス、レザーウッド、セロリトップパインといった、リズミカルな名前の樹木が並ぶ。ここには60 種類の希少種、危急種、絶滅危惧種が生息する。2車線道路をカンガルーが飛び跳ね、巨大なシダは低木層の上に葉状体を傘のように広げる。涼しい温帯降雨林の大部分はひとつの巨大大陸が分裂して漂いはじめ、恐竜が歩きまわっていた6,000年前の時代にいまも遡る。この地域はターカイン、またはアボリジニの言語であるパラワ・カニ語で「タカイナ」と呼ばれ、アーサーから沿岸のピエマン・リバーまでタスマニア島の北西の角に447,000 ヘクタールにわたって広がっている。フクロオオカミと呼ばれる絶滅肉食有袋類はひんぱんに目撃され、それが実際に絶滅したと推定することもできない。私ははじめてこのレインフォレストに足を踏み入れたとき、自分が涙したことに驚かされた。

タスマニアの森で注目に値するのは、その樹齢だけではない。1800 年代半ば以来この島で盛んで、根強く複雑な林業の基盤もある。そしてその慣行のうち最悪のそれが、原生林の皆伐だ。

タスマニアは対処されていない膨大な歴史的トラウマを抱えている。19世紀のアボリジニ先住民の大虐殺、識字率49%の地方の貧困層、そしてタスマニアを野生にする性質そのもののいくつかを破壊することに、ほぼすべてを依存する経済……。伝統への申し立ては分極化を招き、深遠だ。そしてそれらはすべてこの景観で繰り広げられている。白い砂利道に並ぶプランテーションはその直線性により不安を掻き立てる。

私たちがそこにいたのは、ターカインと野生地をめぐる葛藤についての映画を作るためだった。世界の反対側ですら、それは強烈に関連性があるように感じられた。私たちが尖ったボタングラスの草原を歩きまわって沿岸のカーブを記憶しているあいだ、米国内務省のライアン・ジンキは一連の国定記念物の巨大な削減を薦めた。そして私たちがアメリカに戻るとまもなく、大統領はベアーズ・イヤーズとグランド・ステアケース・エスカランテの国定記念物をそれぞれ85%と50%削減する告知に署名した。彼は「遺産」、「尊敬」、「輝かしい自然の驚異」、「保護」といった言葉を、その説明で引用した。

それはおなじみの物語だ――資源抽出、景観への相反する申し立て、伝統的産業の死と失われる職。失業に悩む遠隔地の地域社会、貧困と違法薬物。まるで現代のアメリカの縮図のようだ。

3人のうち最年長のオーク樽のような胸部とふさふさした白髪頭の男性は、ジョッキを胸に掲げてバーにもたれかかり、カウンターに向かって頷きながら、「このバーはブラックウッドの木の幹から切り出したものだ」と私に教える。「タスマニアは農業と林業で成り立ってきた。林業を締め出すことは、同時にその文化を拭い去ることだ。そしてその文化は本当に家族指向のものだ。すべての林業が良いと言っているわけではない。その一部のやり方は気に入らないが、別のやり方でやれとは言えない」

私は文化と土地のつながりについて尋ねる。

「ここでの俺の人生において、最善の環境保護者が誰かといえば、それは何が起きているかについて既得権をもつ人たちだ。この地域に住み、動物と暮らし、森と生きる人たち。俺たちは月面のような風景がほしいとは思っていない。だが皆が職をもたなくてはならない」

皆伐はチェーンソーにはじまり、苗床のように整然と管理された単一栽培の農園や森林に変わり果てる。巨大な老齢樹は挽材に切り分けられ、州内の数社の木材工場に買い取られて、建材や合板となる。余剰分は輸出業者に売られ、木材チップやティッシュペーパー用パルプとして世界のパルプ材供給の一部となる。私たちは港町のバーニーをドライブ中、これらの木材チップが巨大なビルのように高く積み上げられ、コンテナ船に積み込まれるのを目撃した。

ほとんどすべての自生の森林の伐採作業は政府によって支持され、それは多大な助成金を受けている〈サスティナブル・ティンバー・タスマニア〉(前〈フォレストリー・タスマニア〉)によって行われている。同社はおよそ80万ヘクタールの公有地の森林すべての管理責任をもつ。これらの地域はオーストラリアにおける米国土地管理局の土地とほぼ同じで、多目的使用のためのものであるが、また同時に伐採と鉱業リースにも開放されている。利益は政府機能のために利用される。

しかしこの産業は不安定だ。とくに木材チップの国際価格は上下し、需要は変動する。2016年の年次報告書では、〈フォレストリー・タスマニア〉はほぼ6,740万ドルの損失を出し、その時点で同社は政府によってブランドの再構築、雇用削減、顧客との価格再交渉、そしてその工程で木材チップを動かすための新規契約を余儀なくされた。現資源大臣ガイ・バーネットが出した声明によれば、同社は「新たな操業環境」に適応する意図で、〈サスティナブル・ティンバー・タスマニア(SST)〉として2017年に再出発した。

再出発後まもなく、〈SST〉はリストラの移行コストをまかなうための資金が必要だという理由で、自生の広葉樹林2万9千ヘクタールの99年にわたるリースを、新たに上場した〈リライアンス・フォレスト・ファイバー〉と呼ばれる会社に売却した。この契約に反対する人びとは、〈リライアンス・フォレスト・ファイバー〉はケイマン諸島につながりのある未公開株式投資基金マネージャーの子会社であることを指摘している。

俺たちを中傷するな。俺たちだってこの場所を守りたい。だが俺たちを締め出せば、俺たちはその錠前をはぎとるだろう

バーネットは国会での演説で、この移行は〈SST〉の負債を払拭し、地域の雇用を促進することを意図していると主張した。しかし2012年の監査によれば、〈SST〉はこれらの公有の森林をその価値の半値で売却したかもしれないという。タスマニアの材木産業の歴史をカバーしてきた作家クエンティン・ベレスフォード博士は、この種の取引をタスマニアの「権威主義的な資本主義のユニークなモデル」と呼ぶ。

最近タスマニア州政府は原生林の伐採モラトリアムを覆し、いまやターカインを含めてすでに保護区として割り当てられた地域での伐採が可能になってしまった。これはおもに政治的な動きだった。森林産業は急速に斜陽化しているにもかかわらず、遠隔地域の従来の林業を営む地域社会がいまもその職を期待するからだ。

「林業は低迷している」と、パートタイムで〈SST〉の請負の仕事をするマラワーに住む男性のひとりは言った。「あるいは〈サスティナブル・フォレストリー・タスマニア〉は、ね(彼は一部皮肉をこめてこう言った)。彼らは社名を変え、すべてを売りに出したのに、それでもまったく利益を出していない」

「何がよくなかったのですか?」

「すべてさ。林業は斜陽産業だ。定年まであと10 年。そのころには森はなくなってしまうだろう」

しかしここの地元民はターカインの保護がその答えだとはみなしていない。赤いフランネルのシャツで、非常に強い物腰で映画に登場するキム・ゲールはこう説明した:彼はこの地域でサーフィンや釣りをして育ち、いまでは9歳の娘に地元のお気に入りのスポットでそれらを教えている。彼が望むのは、そこに娘を連れて行き、その楽しみ方を強要されることなく、彼が育ってきた景観の知識を娘に伝授しつづけることだけ。「一度世界を旅してまわったが、この場所のすべてが恋しかった」と彼は語った。「この騒音、開放という音、風の音……。俺たちはここに住む全員を知っている。この地域社会が恋しかった」

キムのような地元民は会話から除外されているように感じている。ここに来たこともなく、この景観についての知識もあまりない環境保護主義者によって、狩りや釣りをして育ってきた場所から締め出されるように。「俺たちの地域の面倒をどうやって見るかを言いにくる人たちが不快なのはそこなんだ」と彼は語る。「俺たちを中傷するな。俺たちだってこの場所を守りたい。だが俺たちを締め出せば、俺たちはその錠前をはぎとるだろう」

ニコール・アンダーソンの青のトヨタ・ランドクルーザーには、ちょっとした黙示録のための準備が整っている。クロスカントリーのギア、カメラ、地図、本、ランニングシューズ、植物採集キット、チョコレート、ヘアブラシ、バッテリーパック、そしてある意味皮肉なチェーンソー。46歳で赤毛のニコールはグアム島規模のこの遠隔地に住む、たった2人の医師のひとりだ。彼女はまた未来の伐採区画(抽出のために分けられた森林地域)を偵察するために森の奥深くを何百マイルも走り、ターカイン保護の闘いを先導する環境保護団体<ボブ・ブラウン財団>に、その情報を持ち帰っている。

ターカインの南境となっているピーマン・リバーをのんびり歩きながら、ニコールは彼女の癖である意識の流れを中断し、背後の、皆伐を隠蔽するためにきれいな列で残されたハイウエイの脇の自生森を指す。それらはプロパガンダ用ストリップと呼ばれている。まるで昨日舗装されたかのように真っ黒で完璧な道路沿いの〈SST〉が管理する土地の区画を運転すると、次のものが目につく:道路上で絶滅危惧種のデビルに気をつけるように認識を促す緑と白の標識、そして森の説明。「1850年以来の働く森」、「皆伐後に再生した森」。会社の再構築以降もそのロゴは昔のままだ。

道路の角を曲がると彼女はエンジンを止め、「オーケー。破滅と破壊を見に行きましょう」と言う。

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