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地球が私たちの唯一の株主

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最後の世代

プリンス・シャカー  /  2019年7月26日  /  アクティビズム, 環境

3月15日ワシントンD.C.。仲間たちの士気は高い。16歳のイスラ・ハーシ、13歳のヘイブン・コールマン、そしてその他の10代の少女たちは近くのカフェでのミーティングのあと、国会議事堂の芝生へとダッシュする。彼女たちは笑い、歩き、「誰の惑星?私たちの惑星!」と繰りかえす。友達に会いに行く途中でセルフィーを撮る、普通の10代の少女たちのように見える彼女たちは、じつは米国ユース・クライメート・マーチの全国主催者だ。

これらの10代の少女たちは女性主導による気候正義運動を代表しており、これは権威をもつ大人たちを刺激するとともに、居心地悪くさせてもいる。彼女たちは政治への意見を抱くただの情熱的な子供ではない。気候変動におけるアメリカの役割に挑戦する若者の気候正義運動を方向付けるティーンエイジャーだ。彼らはみずからを、気候変動をストップさせる事実上最後の世代と呼ぶ。

記者会見がはじまるころには、この2人の少女とその友人たちはすでに他の主催者を集め、イベントのための許可書の詳細を話し合い、その場に居合わせている報道陣を確認し、そしてその日の集会のための講演者の日程を追跡していた。国会議事堂の芝生へと歩く途中、主催者の母親のひとりは自分の娘の能力に畏敬の念を抱いていると言った。彼女は他の主催者、潜在的なスポンサーそしてさまざまな非営利団体との長い電話でも引けを取らないと。母親は数々のミーティングがある娘を追いかけ、D.C.のイベントに参加するための娘の航空運賃を払っていることについてジョークを飛ばした。

早急に行動することを足踏みする人びとに若者が闘いを挑むのを傍観しながら、大人たちは自分はこれまでに何ができたのだろう、そしてこれから何ができるのだろうと思慮する不快さを経験する。著名な作家で地球を愛したエドワード・アビーはかつてこう言った。「快適な妄想よりも残酷な真実の方がよい」と。

残酷な真実とは、地球が環境に破壊的な政治/経済システムの下、住めなくなる過程にあることだ。快適な妄想とは、それを無視しても大丈夫、あるいはこれ以上は何もできないということである。

 

若者の気候のためのストライキ運動は、昨年8月、スウェーデンのストックホルムで当時15歳だったグレタ・サンバーグによってはじまった。この若い活動家は毎週学校を休み、気候変動の破壊的影響に対応するために政府に真剣な行動を起こすことを要求して、ストライキすることを決意した。そのきっかけは、地球温暖化を最大1.5度までに留めるためには世界にはあと11年を残すのみ、と結論付けた最近の国連の報告書をめぐるパニックだった。

 

グレタと他の活動家がオーストラリア、オーストリア、ドイツそしてその他諸国の数々の街でストライキをはじめると、アメリカの若者たちも自分自身の活動に着手した。2018年12月、アレクサンドリア・ヴィラセニョールはニューヨークの国連本部の前で毎週ストライキをはじめた。彼女はオンラインでコロラド州デンバー出身の13歳の活動家ヘイブン・コールマン、そしてMN Can’t Wait(ミネソタは待てない)などの連合で独自の先駆的活動を展開していた16歳のイスラ・ハーシとつながった。この3人組は協働を決意し、直接会う前にe-mail、電話、Zoomといったアプリ経由でコーディネートをして、全国ストライキを組織化した。

彼女たちはサンライズ・ムーブメントと呼ばれる青年活動家団体、下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス、上院議員エド・マーキーの共同によるグリーン・ニューディール法案にインスピレーションを得た。この法案の目的はこの先10 年間で温室効果ガス排出の正味ゼロを達成し、グリーン経済を創造するために何百万もの高所得の職を作ることによって気候変動に対応することだ。

黒人のティーンエイジャーとしての僕自身の政治への目覚めは、高校教師による経済的不平等の悪についての講義を聞いたことにはじまった。世界がどれだけ多くの変化を必要としているかについて食卓で両親に不満をぶちまけると、良い暮らしを求めてジャマイカからアメリカへ移民した母は、このような若い年齢では政治的なアイデアよりも成績の方が大切だと僕を叱った。支配的な大人の監視なしにインターネットを通して学ぶことによってみずからの意見を形成したこれらの10代の若者は、僕にとって刺激的だ。

ハーシは1989年にキンバール・クレンショーがエッセイで綴った新造語である「インターセクショナリティ(交差性)」についての自分の感性が、彼女の学校におけるグリーンチームのような政治グループの一部であることを困難にしたと言う。それはそのグループの政治的会話が低所得地域における水質のような問題ではなく、白人の10代の若者たちがキャンプについて話し合うことよりも、先に進むことをあえてしなかったからだ。その後、彼女はアニシナアベ・テリトリーを通過し、北米大陸の主要な水域の3つを脅かすライン3パイプラインに反対する組織化に関わるようになった。ライン3に反対する指導者たちは、全世界にまたがるその他多数の団体と一緒に気候正義(2002年、バリ・プリンシプルズ・オブ・クライメート・ジャスティスは気候正義とは自然資源に依存する地域の権利が企業による自然の商品化によるリスクに冒されないことであると定義した)が環境組織化の中心となることを要求した。アメリカにおいてはこの行動への呼びかけほど急を要するものはない。今年はじめに出版された全米科学アカデミーの議事録の研究によれば、黒人とヒスパニックの地域は白人地域に派生する大気汚染の不均衡な影響を課せられている。

「気候正義を追求しつづける動機のひとつは、私が[白人の]気候活動家が遭遇する唯一の黒人女性かもしれず、そのことがとても重要だからです。彼らは私のことを気にかけませんが、私は私と私の人びとのことを気にかけます」とハーシは言う。「だからここに立ち、全員が[気候変動について]何らかの行動を起こさねばならないことに気づくまで、彼らのために提唱しつづけます。それは気候活動における多様性と公平性の欠如という持続する問題なのです。それにより、それらの分野を進むことがより困難になります」

ハーシの組織化へのインスピレーションの多くは公民権運動、ブラック・ライヴス・マター、そしてスタンディング・ロックなど、過去と現在両方の多岐にわたる問題のための運動に起因する。2018年にマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校でおきた銃乱射事件のあとに生まれた、銃による暴力を撲滅する運動であるマーチ・フォー・アワ・ライヴスのデイヴィド・ホッグなどの他の高校生の活動家による米国ユース・クライメート・ストライキの促進は、過去と現在の社会運動への団結と子供達の関与がいかに大切かを照らし出している。1963年、公民権活動家のリーダーたちによって非暴力戦術の訓練を受けた何千もの黒人の子供たちは、教室を出て、あらゆる場所からアラバマ州バーミングハムに結集した。連日平和的に行進すると、地元の警察は放水銃や警棒で彼らを叩き、子供数人を刑務所に拘置することすらした。最終的には子供が残忍に扱われている画像がマスコミに出回ったことで、バーミングハム市は合法な人種分離の終結へと追いやられた。

ハーシはしばしば湾曲した環境政治分野において提唱する10代の黒人の若者で、過去の多くの青年活動家と同様、家族とともに抗議行動に参加して育った。彼女の母、イルハン・オマルはミネソタ州の第5下院選挙区の議員だ。オマルの強力な進歩主義政治の立場により、多くの若者のアイデアが拡声されてきた。彼女は3月15日に国会議事堂ビルの前でストライキをする人に語りかけた、唯一の政治家だった。ハーシと対談を深めるにつれて、僕の政治への熱意が周囲の大人によってより奨励されていたとしたら、僕は彼女の年齢で何ができたのだろうと思わざるを得ない。

国会議事堂の芝生にさらに多くの若者が到着するあいだに、世界中の100か国以上の何万人もの10代の子供たちもユース・ストライキのために結集していた。芝生の若者たちは気候変動への対応を促す異なるメッセージを抱いたパラシュートを持ち寄り、互いの似顔絵を書き、セルフィーを撮り、前進に向けた次のステップについて情熱的に語り合った。若い活動家の一部は政府がグリーン経済に投資し、環境破壊を起こす企業の責任を問う法律を通過させること、有権者がグリーン・ニューディールを支持することを求めた。

ストライキが終結し、集会がお開きになったとき、主催者の一部の両親がストライキのあとの居場所を必ずテキストで知らせるように、と主張するのを目撃した僕は、温かい気持ちになった。ストライキの主催者たちが各々のソーシャルメディアの何千ものフォロワーにビデオのアップデートをシェアすると、僕は笑いながら、自分をその背景から取り除くために退いた。そしてオープンマイクで彼女たちが2000年代初期の歌とアーリースター誕生の最近の編曲を歌うとひそかに身をすくめた。

自分をタイニー・ディプロマット(極小の外交官)と呼ぶ7歳のハバナ・チャップマン・エドワーズがステージで聴衆に訴えかけると、オープンマイクを主催した女性は「みんながリラックスして楽しむチャンスを作ったのは本当によかった」と言った。「彼女の母は言っていたから。落ち込ませることをたくさん話したこんな集会のあとはよく悲しくなってしまうと」

僕自身、高校教師の講演のあとに教室を去ったとき、同じ悲しみを経験した。僕はよく思うからだ。「変化をもたらすというほとんど勝ち目のない闘いに、僕自身いったい何ができるのだろう」と。だがこれら多くの子供と若者は、世界の問題に彼ら自身の解決策を発見するための同様の道を歩んでいることに気づいた。ただ時代が異なるだけだ。

ワシントンD.C.でのストライキのわずか数週間後、公聴会も専門家による証言もなしにグリーン・ニューディールが上院で否決されたニュースを見ながら、もし国会議事堂の芝生における平和的ストライキが政治家に環境に責任ある法律を通過させる圧力をかけないのだったら、他に何をしなければならないのだろうと僕は思った。

 

運動としては違うが、アメリカの黒人に対する体系的な暴力に対処するためにクィアの黒人女性の主導で2013年にはじまった運動であるブッラック・ライヴス・マター(BLM)が、警官によって命を奪われたアフリカ系アメリカ人のための抗議中に黒人と警察のあいだで起きた衝突後に、より多くの悪名を得たことを考えつづけた。暴徒の行為は強い批判を受けたものの、BLMはフロリダ州の論争の的だった検事アンジェラ・コーリーを2016年に失脚させることから警官にボディカメラを装着させるために司法省に2千万ドルを捻出させることまで、その目標のいくつかを達成することができた。街頭におけるこのような緊張の瞬間が政治的権力構造に直面したのだ。

 

ユース・クライメート・ストライキを通した気候正義であれ、黒人に対する体系的な暴力に対処することであれ、これらの運動が闘ってきたのは人権のためだ。もし僕や僕のような他の人びとがより良い世界を望むのであれば、両方ともが存続し、その目標を達成せねばならない。

 

「私たちにとってこれが終わりではありません」とハーシは言う。「私たちは気候変動についての一般の見解を、また政治家の意見を、確実に変えていきます。なぜなら私たちは必要とあれば何か月でも街頭に立ち、闘いつづけるからです」

 

若い主催者たちはすでに次の全国ストライキを計画しており(全米で5月3日に実施)、次回の選挙にも若者を関与させる方法を探索中だ。「私たちは2020年の選挙で気候変動が討論の不可欠な議題にさせるようにするつもりです」と言うのは米国ユース・クライメート・ストライキの全国財務ディレクターである14歳のカリア・ステファン。「私たちは2020年の大統領候補者全員に環境をテーマとした討論会をもつことを要請する嘆願書に着手します。この討論は気候変動についての対話を、全国および国際レベルでより可視化するための大きな第一歩となるでしょう」

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