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マラマ・ホヌア:ホクレアの希望の航海 パート2 サモア

ジェニファー・アレン&ジョン・ビルダーバック  /  2017年4月10日  /  コミュニティ, カルチャー

2016年はアメリカ国立公園が誕生100周年を記念する。マラマ・ホヌア世界航海では、ホクレア号の乗組員が、アメリカ領サモア、カリブ海のセント・ジョン、フロリダのエバーグレーズなど複数の国立公園を訪問し、6月はじめにはニューヨーク市のガバナーズ島に立ち寄る。乗組員はこれまでの寄港先で、それぞれの地域が独自の方法で地球をいたわる「マラマ・ホヌア」を実践している様子を見てきた。2015年9月にアメリカ領サモアのパゴパゴに寄港した際には、国立公園レンジャーを務めるプア・トゥアウアがサモア流のマラマ・ホヌアを教えてくれた。

「私たちの土地はおそらく我が民族にとって何よりも貴重な資産です」とプアは説明した。

ホクレア号の乗組員が学校を訪れて、子供たちにホクレア号がどのように「マラマ・ホヌア」を体現しているのかを教えるあいだ、プアはパゴパゴのダウンタウンにあるパークレンジャーのオフィスで仕事をはじめた。プアのオフィスからはパゴパゴ港が見渡せる。汀線が島の中心へと8キロにわたって曲がりくねりながら入り込み、しっかりと守られている港だ。港の片側には知事公邸があり、もう片側にはレインメイカー・マウンテンがそびえる。埠頭には多数の漁船が並んでいる。パゴパゴは南太平洋でアメリカ国旗を掲げる最も有益な商業漁港である。

プアはレンジャーと海洋生物学者のチームとともに、アメリカ領サモア全域の2,500エーカー(約10キロ平方メートル)の熱帯雨林と1,200エーカー(約5キロ平方メートル)の浜、海、サンゴ生態系の監視と管理を担っている。これは容易な任務ではない。この公園は赤道南下にある唯一のアメリカ国立公園で、連邦政府はアメリカ領サモアの村のマタイ(首長)から公園の土地をリースしている。政府は1993年に土地の購入を提案したが、マタイは「我々の土地は売り物ではない」と断った。サモアの風習では土地の販売を禁じているため、最終的には村議会の投票に基づいて土地のリースが決められ、賃貸収入は村の全有権者に分配される。

「ゴミの不法投棄がいちばんの問題です」とプアは言った。プアにとって土地をいたわるということは、公園内に限らず、自分たちの家である島全体におよぶ。「ポイ捨ては、いま本当に、本当に、本当に大きな問題なのです」

サモア語では「マラマ・ホヌア」は、「地球を理解する」という意味の「マラマラマ・エ・ファヌア」とも表現される。サモア人は、地球をいたわるためにはまず土地を理解しなければならない、そしてその理解から思いやり、共感、愛が生まれると信じている。この信念は5つの島と2つのサンゴ環礁、そして2つの島を含むサモア独立国家から成るアメリカ領サモア諸島全体を結びつけている。環太平洋火山帯に位置し、構造プレートが集中するこれらの火山島は、100万年以上前に海底から隆起した。

「昔、ここにはプラスチックはありませんでした」と彼はつづけた。

「でもいまはどこもかしこもプラスチックだらけです」

プラスチックはパゴパゴ港と島の幹線道路を汚す第一の「侵入種」といえる。道端に落ちているペットボトル、水中で足首にまとわりつくビニール袋、コミュニティ・カレッジの薬草園で目にするプラスチックカップ……。しかし、パゴパゴの中心地から離れると、いまでも汚染されていない手つかずの熱帯雨林や低地や浜の姿を見ることができる。

人びとはかつて植物の葉を使ってラウフォラというカゴを編んだり、ココナツの殻でカップを作ったりしていた。それらは浜や森などどこへでも持って行くことができ、地面や海に置き去りにしても自然に生分解された。

「けれども、いまではプラスチックが使われています。そして生分解されないことに気づかず、そのまま捨てて行くのです」とプアは説明した。

プラスチックもアルミも発泡スチロールも、すべては港の主要コンテナヤードを通じて入ってくる。ヤードには奥行き10室、高さ4階という輸送用コンテナが積み重ねられている。島の食料と生活用品の90%を運ぶため、毎月約1,000ものコンテナが毎月入港するのだ。釣りや狩り、そしてタロイモやバナナやパンノキの実を収穫しながら育ったプアにとって、これは大きな懸念だ。プアはかつて港でスピアフィッシングをしていたが、いまでは沖の岩礁まで行かなければ魚は見つからない。彼は雨林で野ブタの狩猟もした男でもある。プアは島が比較的自立した持続可能な存在から、依存度の高い持続不可能なライフスタイルへと変換するのを、人生わずか50年のあいだに目の当たりにしてきた。

「私の家族は貧乏でした。冷蔵庫がなかったので、そのとき食べられるだけの魚を獲りました」と、プアは振り返った。しかし釣りも狩猟も農業も、もはや子供には必要とされない技術となった。「いまではみな、店に買い物に行きます」

「ずっとずっと昔の時代、サモア人は雨林を頼りにしていました。ところがいまでは、ここにもマクドナルドがあるわけです」

「子供たちはみな、マクドナルド! マクドナルドに行きたい!と言います」しかしプアはこう提案する。「でも私は森に行こう、土地に帰ろうと言いたいです」

子供たちが大地に戻るのを導びこうと、プアはココナツの採り方、カゴの編み方、魚の獲り方を教える。彼は輸入品に頼らない方法を教えたいと願い、またたとえゴミ箱まで運ばなければならないとしても、進んでゴミを拾うよう呼びかけている。

ささいな教えが大きな利益につながる。

「子供たちにいまから5年、10年先を考えるようにと教えています。ゴミを捨てつづけたらどうなるか。決して良いはずがありません。環境にも自分にも、島のみなにも良くありません」

2012年、環境保護庁の地元支部がビニール袋の使用を禁止した。違反者には罰金が科せられる。環境保護庁は180日間で自然に生分解するトウモロコシ製の「バイオバッグ」という代替品を配った。

プアは「マナ」について語った。それはハワイ語にも存在し、「スピリット」を意味する言葉だ。

「もし自分にたくさんのマナがあれば、皆を雨林に帰すことに使います」とプアは語った。「森へ行き、心を安らげるように、と」

乗組員はホクレア号について語るとき、しばしばこの「マナ」というスピリットを引き合いに出す。彼らは人びとが良い行いをするよう力づけてくれるホクレア号のマナ、すべての人びとを共通の利益へと導くマナについて語る。

6月5日にはホクレア号がニューヨーク港に到着し、ニューヨーク市民たちにもこの「マナ」を経験することができる。まずノースコーブ・マリーナにドッキングし、そのあとガバナーズ島国立公園に移動。船長と乗組員は国連を訪れ、6月8日の「海の日」を祝う。6月9日午後7時にはパタゴニアのソーホー店で乗組員のトークイベント、また6月11日には自由の女神の近くを漕ぎながらガバナーズ島を周回し、ハドソン川を上流する「リバティー・チャレンジ」アウトリガーカヌー・レースが開催され、その晩はその年次レースの祝賀会「ザ・リバティ・ルアウ」にアスリート、乗組員、ポリネシア航海協会のメンバーが集う。このワア(カヌー)のマンハッタン島訪問についての詳細はhokulea.com(英語)を参照。

『マラマ・ホヌア:ホクレア─希望の航海』(2017年パタゴニアより英語版刊行予定)から抜粋。

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