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アリゲーターの楽園

ブラッド・ウィーナーズ  /  2026年3月18日  /  アクティビズム, コミュニティ, スポーツ

公有地が危機に晒されている時節での大勝利。

ジョージア州のオケフェノキー湿地で遭遇するいちばん好きな野生動物を選ぶのは、ステイシー・ファンダーバークにとってはちょっとした難問だ。「上位3 種ではどうかね」と、彼は交渉する。〈Conservation Fund(コンサベーション・ファンド)〉の副支部長を務めるファンダーバークは、アメリカ合衆国内で最大のブラックウォーター湿地帯であるオケフェノキーを、過去20 年にわたり毎年訪れてきた。そしてそのほとんどの旅で、彼の双子の娘が一緒にカヌーを漕いだ。

「はじめて娘たちとそこに行ったとき、公園の管理員が彼女らに、ワニを何匹見たか数えてみてと言いました。娘たちはまだ5歳か6歳でしたが、本気でこれに取り組みました」と、ファンダーバークは回想する。その旅の終わりまでに数えたアリゲーターは63匹となり、「娘たちがそのことを電話で母親に伝えたら、『お父さんに代わってちょうだい』と言われてしまってね」と彼は笑う。「でもいまでは、ワニがちょっとカヌーにぶつかってもほとんど気にしません」

道路から16キロメートル離れたところにあるプラットフォームでキャンプをしているときに、彼らは多種多様なヘビや稀少なカエル、巨大なツルなどの野生動物に間近で遭遇した。娘のひとりが真似た鳴き声に誘われて、アメリカフクロウがやって来たことさえあった。「ある年には予期せぬ寒波に見舞われて、航路に出るまで氷を割って進まなければなりませんでした」と、ファンダーバークは語る。「するとその寒さのせいでワニたちは姿を隠し、代わりにカワウソたちが現れたんです。彼らは私たちのカヌーのまわりで楽しそうに泳ぎ、水しぶきがかかるたびに娘たちは大喜びで歓声を上げました。1匹のカワウソは巣に潜り、魚をくわえて出てきました。そして川岸に上がり、私たちにその魚を分けてくれるのかと思うほどすぐ側に佇んでいました」

この6年間ファンダーバークは、こうした忘れがたい瞬間を誰もが経験できるように懸命に取り組んできた。そして2025年6月、彼と〈Southern Environmental Law Center(南部環境法センター)〉によって導かれた同盟は、大きな勝利を獲得した。それはConservation Fundがオケフェノキー国立野生生物保護区のすぐ外に約8,000エーカー(32平方キロメートル)の土地を購入したときのことで、それにはチタン採鉱事業のために許可が下りていた、湿地の上の稜線にある600エーカー(2.4平方キロメートル)も含まれる。Conservation Fund は現在では用地と採掘権の両方を所有し、そこに鉱山が開かれることはない。これでこの湿地帯は観光により、年間9,000万ドル以上の歳入を地元の経済にもたらしつづけることができる。さらには鉱山の可能性を阻止したことより、オケフェノキーをユネスコ世界遺産とするための価値も向上する。

「これまでの反応は圧倒的にポジティブです」と言ったのは、〈Okefenokee Protection Alliance(オケフェノキー保護同盟)〉の創設者であるビル・サップ。「まだ湿地を訪れたことのない人たちですら、その保護の実現を望んでいます」と彼は加え、キャンペーンのピーク時の同盟には52の団体と総勢500万人の会員が所属していたことを指摘した。「それでも、土地購入を成立させたConservation Fund の後押しなしには、この成功を収めることはできなかったでしょう」

「それはお互いさまだよ、ビル」と、そのときのグループ通話で言ったのはファンダーバーク。「同盟による広範な支援がなかったら、どうやって私たちが必要としていた時間を確保し、資金を集めることができたかはわかりません」

指定されている公園を近隣の脅威から守ろうとするとき、活動家たちにはいくつかの選択肢がある。まず一例は、立法的な方向性の試行。しかしながらそれには一世代、あるいは二世代分の時間を要することもある。別案としては、米国の絶滅危惧種法のもとに訴訟を起こすこと。オケフェノキー国立野生生物保護区は絶滅危惧種のホオジロシマアカゲラの生息地であるため、それはうまくいったかもしれない。しかしジョージア州では(他の場所でも言えることだが)、私有地の権利を重んじる人が多いため、そのようなアプローチは共感を得られなかったかもしれない。そうしたなか、土地所有者たちに良い買値を提示することは、誰にとっても魅力的に思えた。しかしもちろん、そのために費やす6,000万ドルという大金は誰にでも用意できるわけではなかった。

「それが、〈Holdfast Collective(ホールドファスト・コレクティブ)〉が私たちのために真の道を切り開いてくれた場面だと言えます」と、パタゴニアを所有する非営利団体について語るのはファンダーバーク。「Holdfast Collectiveの寄付によってすばやく、他の人びとにも貢献することへの自信がつきました」。そして〈James M. Cox Foundation(ジェームズ・M・コックス財団)〉も、ここで同様に主要な役割を果たした。

毎年パタゴニアは、環境保護目的の助成金として提供するためにHoldfast Collectiveに配当金を支払う。Holdfast Collectiveのエグゼクティブ・ディレクターであるグレッグ・カーティスは、オケフェノキーの事例とともに生じたものはまさに、彼がつねにこの組織に望んでいる行動の表れだと述べた。「実際の仕事をするのは最前線の団体や同盟です。私たちはシード基金、あるいはそれ以上に役立てることのできる資金を提供することで、彼らが目標を達成できるよう願っています」。今回、それが実現したのだ。

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