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解決策シリーズ・パート2:私たちのコミュニティにおける解決策

アニー・レオナード  /  2013年10月17日  /  アクティビズム, 環境

1968年、走り高跳びの選手ディック・フォスベリーが、片足ずつ飛ぶ一般的なベリーロールではなく、身体全体を振り上げて、後ろ向きで頭からバーを越える背面跳びでオリンピック記録を更新しました。当初、陸上競技連盟はフォスベリー・フロップと呼ばれるこの不格好な動きを禁止しようとしましたが、その成果はすばらしく、すぐにほとんどの走り高跳びの選手が使いはじめて、今日に至っています。このフロップは従来どおりのやり方を微調整する目的で作られた「全面的」解決策ではなく、競技のやり方自体を変えた「抜本的」解決策でした。

今日の環境、経済、そして社会的危機の重大さに対処するのに必要な規模の変化を起こすには、私たちの政府、ビジネス、コミュニティという3つのレベルでゲームのルールを変えていく必要があります。なかでもコミュニティは最適なスタート地点です。私たちの住む場所に近く、またたいていは世界や国や州といったレベルで変化を起こすよりも容易で、心理的/社会的報酬もより身近に感じられます。

コミュニティには「近所」以上の意味があります。真のコミュニティとは、住んでいる場所だけではなく、共通の関心や価値観、そして目的のもとに集まる人びとの集まりのことです。大切なのは繋がること。もっと正確に言えば「相互間の繋がり」、つまりどれだけメンバー同士が分かち合い、助け合い、頼り合えるかです。しかし、ここ数十年にわたり、その繋がりは憂慮すべきレベルまで損なわれてしまいました。

ロバート・パットナム著『孤独なボウリング:米国コミュニティの崩壊と再生』が出版されて以来、この本の題名は、今日のアメリカ人が以前と比べて「嘆願書に署名をしない」、「会合のある組織に属さない」、「隣人を知らない」、「友達と会う頻度が少ない」、「家族と交わる頻度すらも低い」といった不穏な事実の代名詞となりました。しかし、パットナムが提示する良いニュースは、コミュニティのへ参加、隣人を知ること、市民クラブに参加すること、地元の政治運動に取り組むこと、そしてまさにボウリングチームを編成することなどは、私たちの幸福感をおおいに増やすということです。コミュニティへの参加は社会機構を増強し、目的意識をはぐくみ、実際的にそして知覚的にも安全性を高めるのです。

コミュニティとかかわり合うと、私たちの環境へのフットプリントを劇的に減らしながら、こうしたこともできるのです。素晴らしいことだと思いませんか。より持続可能な世界を作るためにしなければならないことは、私たちに幸福と健康をもたらし、コミュニティを強く活気あるものにすることと、まったく同じことなのです。それはたとえば次のようなことです。

共有地への投資:経済学101の講義で教わるような共有地における羊の放牧の比喩(共有地はある人の持ちものではないので、誰でも羊の放牧をしていいが、そうなると皆がその土地を大切にせずに、過放牧が起きる)は忘れましょう。共有地とはたんに私たち皆で共有する場所——図書館、公園、コミュニティ・ガーデン、市営プール、川や山やハイキングトレイルなどのことです。コミュニティがそのような共有地に投資すればするほど、個人個人がたくさんの水やりと芝刈りが必要な塀に囲まれた自分の大きな庭を造る必要性を感じる可能性が低くなります。

シェアリングする:地元のレンタル工具店からパワードリルを借りる、カーシェアリングのプログラムや、旅行者に家を提供するなど、いまさまざまなシェアリングがブームになってきています。シェアリングは環境によいだけでなく、経済的です。多くの物を買う必要がなくなるし、シェアする者同士の会話はコミュニティづくりにも貢献します。

新しい社会的/文化的な規範をはぐくむ:人びとはマディソン街が永続させているマントラ――より多いもの、より新しいものが、つねにいい――から次第に抜け出しつつあります。子どものお誕生日会への招待状には「お下がりのプレゼントだけにしてください」と明記されていることも多く、ラッパーのマックルモアー(とライアン・ルイス)は中古品の美学を歌った「Thrift Shop」(注意:歌詞に不適切な表現部分あり)でヒットを出しました。パタゴニアももちろんeBay(日本支社ではヤフオク!)や、いくつかの店舗に設けたWorn Wearのユーズド製品コーナーに力を入れ、お客様に古着の売買を奨励しています。このような文化的変革は重要です。私たちの購買習慣はまわりの人びとから強く影響を受けることが、さまざまな研究結果からわかっているからです。

そして地域レベルでの変化は、より大きな変革に繋がる可能性もあります。ディック・フォスベリーは自力でフロップを生み出し、地元のコミュニティ(オレゴン州立大学の彼のチームメートたち)とシェアしてから、オリンピックにもっていき、そこから陸上競技界を塗り替えました。コミュニティをベースにした解決策にも同じような拡大が起こり得ます。2006年、国内外のリーダーたちが地球の温暖化に取り組まないことに失望したイギリスのある小さな2つのグループは、回復力と幸福を強化させながら気候変動に取り組む地域レベルの対応を支持する「トランジション・タウン」運動に着手しました。今日〈Transition Network〉は43か国の1,100以上の団体を含みます。

私が幾度も繰りかえしているように、地域レベルの解決策だけでは十分ではありません。持続可能でオーガニックで、動物虐待のない安全な場所に自分たちだけ引きこもり、他の人たちをほったらかしにしておくことはできません。しかし、コミュニティは行動の着手にはぴったりの場所です。コミュニティでの比較的小さな変革は、より大きな変革のために私たちを鍛え上げてくれます。今日図書館の前に自転車置き場を作ったなら、来年は町中に自転車専用レーンを、やがて公共輸送の拡大や高速道路建設の中止、ついには化石燃料補助金に対抗するまでに至るかも知れないのです。

次回は、コミュニティで変化を起こすための実用的な解決策、どこから着手するのかなどのアイデアについてお話しします。また、皆様や皆様の周囲の方が、ご自分のお住まいの場所でどのようにしてゲームのルールを変えているのかについて、ぜひお聞かせください。皆様のコミュニティは、よりよい未来のためにどのような解決策を生み出していますか?

このシリーズを読む:
解決策シリーズ・パート1:川の中の赤ん坊
解決策シリーズ・パート2:私たちのコミュニティにおける解決策
解決策シリーズ・パート3:近日公開
解決策シリーズ・パート4:近日公開

アニー・レオナードは『The Story of Stuff』プロジェクトの創始者。ほぼ20年にわたって環境安全と正義についての問題を調査し、そして解決のための組織作りをしてきました。彼女のポッドキャスト『The Good Stuff』は、変革をもたらすことに成功した活動家、起業家、科学者などにインタビューする月刊シリーズです。

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