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映画『180° South』 スペシャル・トークショー

映画『180° South』 スペシャル・トークショー

2011/01/24 2011年1月24日

映画『180° South』が1月22日(土)に初日を迎えました。今日は渋谷シネクイントで上映前に行われたジェフ・ジョンソン、キース・マロイ、日本支社マーケティング・ディレクターの藤倉克己によるスペシャル・トークショーのようすをお届けします。映画の最新情報は『180° South』ウェブサイトをご覧ください。

180south_all[(右から)ジェフ・ジョンソン、キース・マロイ、藤倉 克己 写真:パタゴニア日本支社 ]

ひと言ずつ会場の皆さんにご挨拶をお願いします。

ジェフ・ジョンソン:『180° South』を見にきていただいて、ありがとうございます。非常にエキサイティングな気持ちでいっぱいです。この気持ちをぜひ皆様と共有したいと思っています。

キース・マロイ:本日はお越しいただきありがとうございます。僕たちはこの1968年のイヴォン・シュイナードのチリへの旅を追体験しようということで映画を作りました。イヴォンから非常にインスピレーションを得た映画です。今日は来ていただいて本当にありがとうございます。

藤倉 克己:皆様、来ていただいてありがとうございます。1968年からいままで、パタゴニアという会社が何も変わっていないということがこの映画でよくわかると思います。我々の社風を感じていただくように見ていただければ、ありがたいと思います。ありがとうございます。

藤倉さんはパタゴニア日本支社を創設された方ですが、イヴォンとどのように出会って創設にいたったのですか?またイヴォンはどのような方ですか?

藤倉:この映画のなかにも登場する当時エスプリ社の創設者だったダグ・トンプキンスがすでに渋谷に日本家屋をもっていたんですが、イヴォンが彼に日本でビジネスをしたいのだけど誰かいないかということを相談したようです。他にもできる人が大勢いたと思いますが、たまたま僕がサーフィンをしていたので、そこが目に留まったのでしょう。とりあえずカリフォルニアの本社に行ったとき、色々とイヴォンが考えを話してくれたんですが、僕の心積もりとしてはイヴォンの考えるビジネスを日本でしたら毎日サーフィンができるななんて感じでした。イヴォンはいつも真実を見つめようという態度で、ユーモアがあって、どんなことがあってもエコノミークラスしか乗らなくて、我々へのアドバイスは最終的にしかしてくれない。それまでは我々に考えさせて考えさせて、とうとう考えがでないというときに、ひと言アドバイスをくれる。人を育てるのが非常にうまい人です。

社員の皆さんは本当に波があったらサーフィンに行かれているんですよね。

藤倉:はい、行きます。

キースはパタゴニアとはアンバサダーという形で契約をしていると思いますが、アンバサダーというのはどのような役割なんでしょうか?

藤倉:アンバサダーというのは、一般的なスポーツ関係の会社が抱えている俗にいうプロというのとはまったく違って、社員と同じで社内にいつもいて、製品開発も携わるし、食事も一緒にします。会社を本質的になかから社員と一緒に支えてくれる人たちです。そうした人たちを我々はアンバサダーと呼んでいます。

今回イヴォンとダグの記録映像を見て、どうして彼らの追体験をしたいという気持ちになったのですか?

ジェフ:イヴォンは私のヒーローでしたし、彼がどういう人のなのか、どういう業績を達成した人なのかということは聞いていました。ですが個人的にどういういう人なのかは知らなかったので、1960年代のパタゴニアへの旅の映像を見て、そこでパタゴニアのオーナーである以上のイヴォンの姿を目の当たりにしました。非常に学ぶことが多く、インスピレーションも得ました。私はイヴォンから得たものが非常に多かったので、追体験をして映画を撮ることによって、私がイヴォンから得たものをこの映画を使って多くの人びとに伝え、そして共有できればと思いました。

今回の旅のなかで、いちばん最高だった瞬間をお伺いできますか?

キース:すばらしい瞬間はたくさんありました。友達も一緒でしたし、すばらしい経験もしました。けれどもいちばん最高だったと思える瞬間のひとつに、チリでサーフィンをしたことがあります。僕がサーフィンをしている近くの山ではジェフとイヴォンがクライミングをしていたんです。その瞬間が特別なすばらしい瞬間だったと思います。あとは海辺でキャンプをしたことも良い思い出のひとつです。

そのチリでのサーフィンはいかがでしたか?

キース:チリでのサーフィンはとてもよかったです。海岸線が非常に長くて、まだ誰も発見していないようなサーフスポットがありました。最近サーフスポットに行くと非常に混んでいるので、人の少ないサーフスポットでサーフィンができるというのはすてきな体験でした。

クライミングがちょっと苦手だということをお聞きしましたが?

キース:親切にもジェフが連れていってくれたんですが、ティミー・オニール、デイブ・ターナーと一緒にクライミングをしました。僕は高いところが本当に苦手で、ずっと怖い思いをしていたんですが、あのような場所に僕レベルのクライマーを連れていってくれるということも絶対にない経験なので、この一生に一度の経験を逃したら自分が許せないだろうと思ってついていきました。そして非常にすばらしい経験をすることができました。

船で海を渡っているなかで、いくつか苦労をしていたようなシーンがあるのですが、いかがでしょうか?

ジェフ:4か月間船に乗りつづけてパタゴニアに向けて航海をしていたんですが、船酔いしやすいのでかなり吐き気をもよおして、それが大変でした。それから私は活動的な人間なので、色々と活動をすることが好きなので、長い間一か所にじっとしているということは、それ自体が辛いことでもあり、精神的にも大変でした。船に乗ってじっとして、何もしないでいることで良い経験もできるのですが、何もしないことが辛いという経験もしました。

日本でも言われているのですが、旅に興味がなかなかもてない人とか、なかなか旅に出ようと思えない人が、最近増えていると言われているようです。どのように思われますか?

キース:若者が、あるいは人びとが旅に出なくなったというのは悲しいことです。最近の若い人たちはインターネットやコンピューターに長い時間をかけているというようなので、悲しいなと思います。けれども実際に旅に出て、その地域の文化をみずから経験するとういことに比較できるほどの経験はインターネットやコンピューターにはないと思います。ですから今回この映画を見ていただいて、自分でそういう経験をしたいなと思っていただけるようなインスピレーションが与えられるのではと思っています。

ジェフ:旅をするということは周りの世界を理解するということで、そのことは自分自身を理解することにつながると思います。そしてその自分自身を理解することが自己成長につながります。ですから旅に出ることによって世界やそれぞれの文化を見て、そして自分に対してチャレンジを課せば、それを通じて成長できると思います。外に出ることによってお互いに理解を深め、世界をより良い場所にしていってほしいと思います。

180south_YC[ 写真:©2009 180° SOUTH LLC ]

本編のなかでイヴォンが大切なのはものごとをシンプルに考えて生きていくことだと伝えています。物質的な世界とは少しはなれた自然のなかで生活を送られているおふたりからは、世の中はどのように見えるのでしょうか?

キース:イヴォンもシンプルに生きようと言っていますが、ものごとは複雑にしないほうが、より良い生き方ができると思います。誰もがより多くのもの、あるいはより高価なものに慣れてしまっていて、それを当然のこととして生きていますが、シンプルに生きるほうが、自分の心にとっても良い経験ができるし、より健全な生き方ができると考えています。

ジェフ:以前はシンプルに生きるということは簡単だったと思いますが、現代社会のなかでは意識して努力しないとシンプルな生活が送れない、ということになっています。携帯電話もあるし、コンピューターやメールもあるし、自分がやっていることに邪魔が入ってしまうことが多々あります。他のものに気がそぞろになってしまい、本来の自分を忘れがちになってしまいます。けれどもシンプルな生活をすることによって家族や友人、そして本当に自分がしたいことに集中することができると思います。コンピューターや携帯でつながりをもつ世界ではなく、周囲の誘惑にまどわされずに自分を知ることができるシンプルな生活をすることによって、人との関係をもつ生活ができると考えています。

いまもっとも興味があること、あるいは力を入れていることはなんですか?

ジェフ:ひとつのことに集中するのがなかなかむずかしいので、もっともというよりは、やりたいことはたくさんあります。場合によってはやりすぎは良くないかなと思うのですが、サーフィン、クライミング、写真を撮ること、そして読書をしたり物を書いたりすることはすべてやりたいことです。もしかしたらひとつだけを追求してそれを追及するというのがよいのかもしれませんが、私はたくさんのことをまあまあの出来でやっていこうと思っています。

キース:僕は3、4歳くらいのときからサーフィンをしているので、それが僕の人生の情熱をささげる活動となっています。海に入ると非常に気分が良くなるし、このような活動がつづけられて、とても感謝しています。もちろん、体にとってきつい活動である場合もありますが、体にきついことをするのも、大切だと思います。サーフィンはいまでも大好きなスポーツです。それ以外には馬やにわとりなどを飼っているので、その世話をしたり、もちろん家族と一緒に過ごすのもすてきな活動のひとつです。ギターを弾いたり、今回の映画では南の方に旅をしましたが、旅はこれからもつづけていきたいと思います。

最後にひと言ずつメッセージをお願いします。

藤倉:本当に映像がきれいな映画です。ハリウッドの有名なカメラマンのダニー・モーダー、ジュリア・ロバーツのご主人ですが、彼が撮影をしてくれた本当にきれいな映画です。それからこの映画からはパタゴニアという会社が服を売ることとはまったく別のところで、本当に大切なことは何かということを伝えたくて作った映画でもありますので、映画をご覧になった方がそれをそれぞれ見つけていただければと思います。

キース:この映画は楽しみながら作りました。今日話をしたようなメッセージが映画のなかからも伝えることができればと思います。このような旅に出ると日常の喧騒からはなれ、シンプルな生活を経験することができます。ぜひご覧いただいた方がたにインスピレーションを与える、そして旅に出たいなと思えるような映画であるといいと思います。

ジェフ:私がイヴォン・シュイナードとダグ・トンプキンスからインスピレーションを得たのと同じように、皆様もこの映画からインスピレーションを得ていただければと思います。

 

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