延伸ポリエチレン(ePE)
延伸ポリエチレン(ePE)は、有機フッ素化合物を使用することなくギアの耐久防水性を促進する丈夫ながら軽量な素材です。
なぜ
メンブレンは見落とされがちですが防水性のギアには欠かせない要素のひとつです。シェルの表地に貼り合わせられたこの薄い内層素材は、水を通さない小ささながら汗を蒸気にして外側へ逃がす大きさの孔を備えています。ある種のメンブレンは長い間、延伸ポリテトラフルオロエチレンという疎水性と耐久性に非常に優れた素材で作られ、とてもよく機能するものでしたが、そこには懸念がありました。それは、ePTFEが生産工程内で一般的にPFASやPFASとして知られている有機フッ素化合物を使用しているということです。最終製品では安全ですが、これらの合成化合物は製造過程で空気中や水中に混入する可能性があります。有機フッ素化合物は環境――そして私たちの体内――に無期限に残留します。そのため私たちには代替品を見つけることが必須でした。
現在の取り組み
実現までには14年の歳月を要しましたが、現在ではパタゴニア製品の100%がPFASを意図的に使用せずに製造されています。私たちがゴアテックスと協働で取り組んだのは、最もテクニカルなアウトドアスポーツのための防水性ギアを、PFASを使用せずに製造することでした。こうした有機フッ素化合物不使用の製品は、雪やバックカントリーの地形における最も厳しい状況にも耐えねばならず、それと同時に着る人の体をドライで快適に守る必要があります。そのような妥協を許さない耐久性のレベルを達成することは挑戦に満ちていましたが、ゴアテックスの研究開発とテスト、そしてパタゴニア独自のラボとフィールドでの厳しいテストを経て、ついに成果が実りました。
2022年秋に私たちはアウトドア企業として初めて、ゴアテックスが開発した初の2層構造ePE素材をストーム・シフト・シリーズで採用しました。この新素材は残留性の有機フッ素化合物の必要性を排除しながら、防水性/防風性プロテクションおよび透湿性におけるパタゴニアとゴアテックスの高基準*を満たすというものです。
2023年秋には、最も過酷で多くが要求される山での経験にも耐え得るゴアテックスePEの3層構造バージョンを、パタゴニアの頂点を飾るアルパインおよびスノー製品に導入しました。そのラインアップには、トリオレット・ジャケット&パンツ、スーパー・フリー・アルパイン・ジャケット、アルパイン・スーツ、アントラックド・ジャケット&ビブ、ストーム・シフト・ジャケット&パンツが名を連ねます。
2024年秋には、2層構造のインサレーテッド・ストーム・シフト・ジャケット&パンツと3層構造のアントラックド・パンツを製品ラインに加え、そのすべてをePE採用のゴアテックス・ファブリクスで製造しました。さらに2025年秋には、ePE採用の3層構造のゴアテックス・プロ・ファブリクスをパウスレイヤー・ジャケット&パンツに導入しました。
私たちはPFASを意図的に使用せずギアを製造することを誇りにしています。ここにたどり着くまでの道のりは、こちらでお読みください。
次なる展開
真の変化とはひとりで起こせるものではないことを、私たちは知っています。そのためには長期的なコミットメントと共通の目標、そして適切なパートナーが必要です。ゴアテックスとの協働は、業界を前に推し進めることを助け、高性能の防水性ギアがPFASなしに製造できることを証明しました。私たちは今後もより良い素材や技術が登場しつづけるなか、さらにその基準を高めながら学んだことを共有しつづけます。
*ゴアテックスの持続可能性の目標についてはこちらを参照ください。