ワックスド・コットン
パタゴニアのワックスド・コットンは、植物由来のワックス加工で撥水性を施した耐久性に優れた素材です。
なぜ
防水性ギアは体をドライに温かく保ち、風雨から守るために欠かすことはできません。しかし、アパレル産業による化学繊維と化学処理への依存が増加するにつれて、環境への影響も大きくなるばかりです。バージン・ポリエステルなどの素材は原料として石油に依存する一方で、DWR(耐久性撥水)加工に含まれるPFCやPFASなどのフッ素化合物は、私たちの環境に残留して分解されることはありません。
PFCフリーおよびPFASフリーの撥水加工やメンブレンに移行するなかで、高品質で耐久性のある化繊のギアを作るためにリサイクル素材を優先する一方で、環境への影響を抑える天然繊維を代替品として採用することにも注力しています。その道のりの次なる一歩が、ワックスド・コットンです。
現在の取り組み
ワックス加工のコットンは、その耐久性、寿命、歴史においてよく知られています。その起源は15世紀、船乗りたちが悪天候から身を護る術として帆布や上着に魚の油を染み込ませたことに遡り、それがパフォーマンス・ファブリックの元祖とされています。
私たちは、150年以上の経験を持つスコットランドのサプライヤーと協働し、何世紀も前からあるこの概念を現代版として完成させるために約10年の歳月を費やしました。そして従来の石油由来のパラフィンワックスに代わり、食品産業の廃棄物から再利用したオリーブ油とヒマワリ油とヒマシ油を混ぜた100%植物由来のワックス「エバーワックス・オリーブ」を採用し、コットン・イン・コンバージョン素材に加工を施しました。
ワックスによってソフトでマットな仕上がりになり、時を経て着用を重ねるごとに素材に質感を与え、着用するたびに個性とストーリーを作り上げていきます。また、周囲の環境に適応しやすい特長があり、暖かい天候ではよりやわらかな着心地で風通しがよく、寒いときにはよりしっかりとした着心地で風を防ぎます。
ワックスド・コットンは何年、何世代にも渡って着続けられるよう作られています。ワックスは自然に剥がれ落ちるため、長持ちさせるためにはジャケットやトートバッグにワックスを塗り直す必要があります。それが、やわらかさとしなやかさ、悪天候への耐性を保つ秘訣です。ワックスがけのタイミングや方法については「ワックスド・コットン製品のお取り扱いについて」をご覧ください。
次なる展開
2024年秋冬シーズンにはライトウェイト・ワックスド・コットン・ジャケットをコレクションに加える予定で、化繊のパフォーマンス・ギアに代わる天然素材の選択肢を増やします。